かわさき市民がつくった電気でお祭り─「おひさまフェス星空上映会inかわさき」開催の感想

神奈川自治体問題研究所
小久保善一(神奈川自治体問題研究所川崎支所)


かわさき市民がつくった電気でお祭り
「おひさまフェス星空上映会inかわさき」開催の感想

神奈川自治体問題研究所川崎支所 小久保善一

かわさき市民がつくった太陽光発電を使用した楽しいお祭りが、9月26日(土)午後、多摩川の河川敷を会場に盛大に行われました。1000人の目標を大幅に上回り2000人ほどの参加があり大成功でした。

神奈川自治体問題研究所川崎支所も実行委員会に参加し、当日は書籍販売や自治体学校のチラシ配布でアピールし、盛り上げの一端を担いました。単なるお祭りではない、自然エネルギーの広がりや、団体や個人の横のつながりをつくろうと取り組んだ初めての、「楽しみながらも意義あるイベント」だったので、経過を含めてご紹介させていただきます。

1.取組の経過とお祭りの意義

東日本大震災後、川崎では、脱原発をめざして「原発ゼロへのカウントダウンinかわさき」の集会が初回は1600人参加で開催され、その後も毎年開催されています。

その集会に取り組む有志のよびかけにより、2013年には、脱原発の取り組みを継続しつつも、市民の手で自然エネルギーを作ろうという運動が始まりました。そして「NPO法人 原発ゼロ市民共同かわさき発電所」がスタートし、2015年2月には1号機、8月には2号機と次々と開設するに至り「これからも、私達の希望でありつづけてください」と多くの市民からも歓迎されています。

「市民共同かわさき発電所」に取り組む人達を中心に、さらに多くの仲間たちとの繋がりを求めて、自然エネルギーを用いた「おひさまフェス星空上映会」開催のよびかけがなされたところ、多くの団体や個人の賛同が得られ、実行委員会形式で取り組むことになりました。実行委員会を重ねる中で、みんなで内容を練り上げ、開催目的を「再生エネルギーを用いた音楽フェスと映画上映を中心としたイベントとして行う。川崎らしい多摩川の河川敷を会場とすることで、自分達の身近にある歴史や豊かさなどの魅力を発見してもらうとともに、楽しいイベントを通じて来場者がエネルギー、環境、子育て、農業などこれからの社会のあり方を考えてもらうきっかけになる場をめざす。さらに、この取り組みを通じて様々な市民団体や個人の横のつながりを作るとともに、今後の川崎やその周辺地域における新たな「協働」をつくりだし、コミュニテイの発展強化につながることをめざす」ということにしました。

団体や個人への訪問、チラシ宣伝、宣伝カー利用の市民宣伝等でよびかけたところ、47団体が協賛、参加協力団体になっていただき、「NPO法人多摩川エコミュージアム」が共催、「川崎市教育委員会」や「神奈川新聞社」から後援をいただくことができました。

また、「一般社団法人 日本社会連帯機構助成事業」としての援助をいただくことができ大いに助けられました。

2.お祭り当日の様子

前日の天気は雨で、当日も雨が予想される中でしたが、私達の願いが通じたのか、予想外の好天で本当にラッキーでした。実行委員は8:30集合、手分けして準備開始。開始近くになるとゾロゾロと参加者が足を運んでくれ嬉しくなりました。

14:00~17:40は「おひさまタイム」として、共同かわさき発電所2号機が発電した電気を電源にした楽しい舞台が繰り広げられました。歌では、「てげてげ」「Mikeer」「A-Major」「エレクションブ」が出演。他には「宿河原華匠舞太鼓と和太鼓の仲間達」「多摩高校合唱部とトランペッター松平晃さんの意外なコラボ」「瀬戸洋平さんの篠笛演奏」最後には反核、平和や日本民謡、韓国民族音楽など幅広く歌うプロ歌手、朴保(パクポー)さんの歌で最高潮に、多摩高校合唱部など地元の出場者やプロの歌手出演で大いに盛り上がりました。

舞台の最後は、このお祭りを作った仲間達の紹介や自然エネルギーで作ったお祭りの話しの紹介がありました。かわさき発電所2号機で作った電気を車に充電し、会場まで運び、舞台や映画上映の電源にしているという映像での紹介はとてもよかったです。

18:00~19:30は「星空タイム」で映画「おまえうまそうだな」を屋外舞台で上映しました。遅い時間にも関わらず親子づれの参加者が沢山きていただき、最後までみて楽しんでいただいたことは本当に嬉しかったです。時々、音声が聞こえなくなったり、画像が消えたり、いろいろハプニングもあり、子供からブーイングも飛びましたが、これも自然エネルギー使用でこその不慣れな御愛嬌として許していただけたものと思います。

さらに会場を盛り上げた出店は、32店舗と沢山の方のご協力をいただき盛大でした。地ビール、焼き鳥その他食料品販売、ソーラ発電でバッタ(虫)を作って動かしたり、子どもも楽しめるようにと「火起こし、キャンドル作り、ゴム鉄砲、竹細工、お絵かきコーナー」を設けたり、多摩川源流水の販売、かわさき発電所のミニカー運転、ヨガ、カイロ等の健康体操、医療生協の健康測定、かわさき色わっかつなぎ、ワーカーズコープ等、沢山のお店を渡り歩き、食べながら、飲みながら、楽しみながら、様々な団体の取り組みを知る機会にもなりました。神奈川自治体問題研究所川崎支所では、書籍販売をしながら自治体問題研究所のアピールをしました。共催いただいた、NPO法人多摩川エコミュージアムは、この会場で様々な団体のイベントの支援をしていらっしゃいますが、参加者が多いのに驚いた、すごい取り組みだとおほめをいただきました。

今年は第1回目、来年はさらに大きなお祭りとして発展させ、楽しく市民が集い、自然エネルギーの広がりや、様々な団体、個人の繋がりの場になるといいなと思いました。