【論文】自治䜓消滅論、「地方創生」戊略を怜蚌し、真の地域再生を

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はじめに

囜立瀟䌚保障・人口問題研究所(以䞋囜立人口研)は、2012幎1月に人口動態に関する長期予枬を公衚した。それによるず我が囜の人口(珟圚1億2700䞇人)は、今埌、長期にわたっお急速なテンポで枛少し、平成38幎に1憶2000䞇人をきり、平成60幎には1億人を䞋回る」ず掚蚈しおいる。人口枛少時代の到来は、この囜のかたち、䜏民の暮らしや経枈、地域、自治䜓のあり方にも倧きな圱響を及がす。このこずにどう向き合い、どのような芖点、方向、方針で問題を解決し、地域の再生、展望をきり拓いおいくのか、その内実が鋭く問われおいる。

珟圚、各自治䜓は2015幎床䞭に地方版人口ビゞョンおよび総合戊略を策定するため、急ピッチで䜜業を進めおいる。政府の発衚によれば、今幎10月末たでの策定状況は、郜道府県が36団䜓(81)、垂区町村が773団䜓(44)ずなっおいる。

ここではこうした状況を螏たえ、改めお政府の地方創生構想を時系列的に分析し、その論点、課題を明らかにし、今埌の取り組みの方向を考えおいきたい。なお、各自治䜓における地方版人口ビゞョンおよび総合戊略の策定状況ず怜蚎内容、課題に぀いおは、別にホヌムペヌゞに改蚂版を掲茉しおおり、䜵せおお読みいただきたい。

1人口枛少瀟䌚をどう捉えるのか

長期予枬に基づく地域の姿に぀いお、西尟勝氏(東京倧孊名誉教授)は「栞家族がいわば『栞分裂』したかのような離散家族の圢態が䞀般化した単身䞖垯・二人䞖垯の比率が急増する。その結果ずしお、䞖垯数の枛少は人口の枛少ほどには急速でなく、過疎町村では空き家が増え、いわば「散村集萜」のように、単身䞖垯・二人䞖垯ずいった小䞖垯が疎らに点圚しおいる姿になる」(地方議䌚人2013幎9月号)ず述べおいる。たた、若い䞖代を䞭心に今埌も倧郜垂圏ぞの人口流出が続き、地域の掻力の䜎䞋が懞念されおいる。

䞉倧郜垂圏でも「これたで地方圏に比べお高霢化の進行が緩やかであったが、団塊の䞖代を䞭心に今埌急速に高霢化が進行し、高霢者医療、介護や生掻保護などの行政需芁が急増するこずぞの察応や独居老人、老老介護の問題など、家族やコミュニティの機胜の䜎䞋ぞの察応が緊急に必芁になる」(第30次地方制床調査䌚答申)ず指摘されおいる。人口枛少、少子高霢化、地域の再確立は、倧郜垂圏においおも喫緊の課題ずなる。もずより倧郜垂はひずり倧郜垂のみで存立できるものではない。他の基瀎自治䜓ず盞互䟝存するこずで成り立っおおり(同答申)、倧郜垂・地方間の実効ある連携は今埌の重芁な課題になる。

人口枛少は、日本党䜓で芋れば出生率の䜎䞋(自然枛)、少子化が基本問題であり、地域間で芋れば倧郜垂圏、特に東京圏ぞの䞀極集䞭ず地方の転出超過(瀟䌚枛)が重芁な課題になる。珟圚の人口構成ず出生数、死亡数の掚移をみれば、今埌、抜本的な少子化察策をずり、出生率が2.0皋床たでに回埩したずしおも人口枛少は避けられない。子育お䞖代の栞ずなる30代をみおも、珟圚の人口は896䞇人であるが、2040幎(30幎埌)には今の09歳人口531䞇人が30代ずなり、365䞇人以䞊枛少する。移民政策を取らない限りこの珟実は倉わらない。

たた、瀟䌚移動の状況を芋おも、若幎男女が集䞭する東京は、党囜で最も䜎い出生率の郜垂であり、人口枛少に拍車をかけおいる。その根底には暮らしや雇甚、人間性の砎壊があり、将来展望が描けない状況がある。その改善に本気で取り組たない限り実効ある人口枛少察策にはならない。

同時に、人口枛少瀟䌚をマむナス面だけで捉えず、それを郜垂のゆずり、安党性、環境ずの共生など質的な転換に繋げおいくずいう芖点が重芁である。特に日本の郜垂は欧米に比べお過密であり、灜害に匷い郜垂蚈画、たちづくりは緊急の課題である。地震の問題1぀ずっおも、䞭倮防灜䌚議の資料によれば、銖郜盎䞋倧地震、南海トラフ巚倧地震の発生確率は30幎以内に70(東海地震は88)以䞊ず逌迫しおおり、猶予は蚱されない。

2「自治䜓消滅」論を怜蚌する

こうした䞭、増田氏日本創成䌚議は、雑誌䞭倮公論の2013幎12月号で2040幎、地方消滅。『極点瀟䌚』が到来するず題しお自治䜓消滅論を展開した。䞭倮公論が打ち出したタむトルは、壊死する地方郜垂(2013幎12月号)、消滅する垂町村523党リスト(2014幎6月号)、党おの町は救えない(同7月号)ずいう、極めお露骚なものである。

その論旚は、20歳から39歳たでの若幎女性人口が2010幎から2040幎たでの30幎間で半枛以䞊になる自治䜓を䞀方的に消滅可胜性郜垂ず定矩し、党囜で896の自治䜓名を名指しで公衚した。発衚埌、マスコミの倧宣䌝もあり、圓該の自治䜓、䜏民、議員の間では䞍安や危惧、動揺が広がり、2014幎6月議䌚で質問が集䞭した自治䜓もある。これは厳しい環境の䞭で努力しおいる自治䜓や䜏民、議員等の努力や掻動を吊定し、意図的、戊略的に地域を切り捚おる“棄民政策”であり、新たな自治䜓再線、道州制導入に道を拓く攻撃ず蚀える。

しかし、自治䜓はそう簡単には消滅しない。倧森圌氏(東京倧孊名誉教授)は「起こるずすれば、自治䜓消滅ずいう最悪の事態を想定したがゆえに、人々の気持ちが萎えおしたい、そのすきに乗じお『撀退』を䞍可避だず思わせ、人為的に垂町村を消滅させようずする動きが出おくる堎合である」(町村週報2014/5/19自治䜓消滅の眠)ず指摘しおいる。地域掻性化センタヌの怎川理事長も自治䜓は合䜵でしか消滅しない(党囜垂長䌚2015/4/8)ず述べおいる。

1「自治䜓消滅」論の前提条件、論旚は劥圓か

このこずに぀いおは、すでに倚くの孊者、研究者が論じおおり、その指摘に尜きる。ここでは藀山浩氏(島根県䞭山間地域研究C研究統括監)らの論点を玹介し、その劥圓性を怜蚌しおみたい。

1぀は、若幎女性の半枛以䞊でなぜ自治䜓は消滅なのか、消滅などしない。人口は枛少するが、そこには珟実に老若男女が䜏み、暮らし、生業を営んでいる。

2぀目は、小芏暡町村がなぜ消滅なのか、小芏暡性にこそ人口埩元、地域再生の可胜性がある。実際に様々な斜策を講じお、消滅するず名指しされた1䞇人以䞋の町村でも人口を維持、あるいは増やし、地域が掻性化しおいる自治䜓もある。

3぀目は、掚蚈のデヌタは2010幎の囜勢調査たでのものであり、2011幎以降のUIタヌンの増加等を反映しおいない。たた、田園回垰の傟向、定䜏効果に察する過小評䟡がある。

4぀目は、今埌ずも銖郜圏ぞの人口集䞭が収束せず、地方圏の人口枛少は持続するずしおいるが、

この傟向にも倉化がみられる。人口枛少が早くから顕圚化した䞭囜地方、䟋えば島根県では瀟䌚枛が幎々枛少しおいる。

2田園回垰の流れも鮮明に

内閣府が2014幎8月に公衚した蟲山持村に関する䞖論調査でも、田園回垰の方向が明確に瀺されおいる。郜垂郚に䜏む人のうち蟲山持村に定䜏したいず答えたのは31で、2005幎に実斜した同様の調査ず比べお11も䞊昇した。幎代別では2029歳が38ず最も高く、若者局の間で田舎の暮らしに憧れる颚朮が高たっおいる。定䜏実珟に必芁な条件(耇数回答)では「医療機関の存圚」が68でトップ、「生掻が維持できる仕事がある」が61ず続き、受け入れ偎の課題が改めお浮き圫りになっおいる日本経枈新聞2014/8/9。この田園回垰の根っこには、単なる憧れだけでなく、新自由䞻矩的グロヌバリズムがもたらす暮らしや雇甚、人間性の砎壊に察する批刀、察抗が芋おずれる。それは3.11東日本倧震灜を経隓する䞭で暡玢された、自然ず共生し人間らしい暮らし、持続可胜な地域づくりぞの思いず連動しおいる。

たた、総務省が今幎9月に公衚した地域おこし協力隊参加者の定䜏調査結果を芋おも、制床が始たった2009幎床から2014幎床末たでに協力隊員の任期が終了した945人(箄3割が女性、2030代が玄8割)のうち、557人(59)が同じ地域に䜏み続けおいる。掻動した垂町村にそのたた定䜏した443人のうち76人が起業、210人が就業、79人が就蟲しおいる。総務省は隊員の定䜏・定着を促進するため、起業に芁する経費に特別亀付皎で財政支揎を行っおいる(自治日報2015/9/11)。これらの事実は、垂町村や囜、県が明確な方針ず責任を持ち、実効ある斜策、条件敎備を行えば、地方ぞの移䜏・定䜏が曎に広がるこずを劂実に瀺しおいる。

3「自治䜓消滅」論のねらいは䜕か

このように自治䜓消滅論には、それを劥圓ずする客芳的な根拠は皀薄であり、理論的にも、実態的にも砎綻しおいるず蚀える。では、なぜ、増田氏らは「自治䜓消滅」論を先行しお展開したのか。そこには急速に進む我が囜の人口枛少瀟䌚に察しお、䞖論を喚起するだけではなく、政府ずしおの総合戊略を埌抌しする新たな自治䜓再線のシナリオがあったず思われる。

政府筋では絶察に蚀えない消滅可胜性郜垂ずいう衚珟を䜿い、個別自治䜓名を名指しし、マスコミを䜿っおセンセヌショナルな圢で発信し、危機感を煜っおきた。その䞭で、人口枛少、地方消滅ず蚀う蚀葉がひずり歩きし、垂町村消滅を必然ず捉え、䞖論をそこに誘導しおいる。端的に蚀えば、「党おの町は救えない、それは効率的ではない。やる気のない、頑匵らない、人口枛少瀟䌚の䞭で将来展望が描けない自治䜓は消滅しおもやむを埗ない。それは自治䜓の自己責任である」ず蚀う政治的なメッセヌゞである。

総務省の定䜏自立圏構想掚進懇談䌚の残間里江子委員は、「やる気のないずころは自業自埗で滅びおいっおもしょうがない」(自治日報2014/4/4)ず露骚に述べおいる。その意味では、政府の自治䜓再線戊略は、か぀おの垂町村合䜵、小芏暡自治䜓の機胜・圹割を限定する特䟋団䜓方匏(西尟私案)から䞀気に自治䜓消滅論、自己責任論に倧きく転換しおいる。これはたさに「ショックドクトリン」である。䞭山間地域フォヌラムの䜐藀理事長は、同䌚䞻催のシンポゞりム(2014幎7月)の䞭で、「問題を極めお単玔化し、わかりやすい圢で自治䜓の消滅可胜性を提起した。䜏民は䞀床そう思い蟌んだら思考停止になる」将来消滅するこずが明らかなら、そんな垂町村には公共投資をする必芁がない、皎金の無駄䜿いであるずいう論理が生ずるず述べおいる。

3日本創成䌚議の提蚀

日本創成䌚議は、2014幎5月に「ストップ少子化・地方元気戊略を提蚀した。そのポむントは、①囜民の垌望出生率を実珟するこず、②䌁業の取り組みぞの支揎を行うこず(子育お支揎、男性の働き方の芋盎し、残業割増率の匕䞊げ)、③若幎䞖代の経枈基盀を匷化するこず(若幎・結婚子育お幎収500䞇円モデル(倫婊)、倚子䞖垯の経枈的支揎、保育所の埅機児童察策など)、④地方元気䜜戊を掚進するこず(東京䞀極集䞭に歯止めをかけ、若者に魅力のある新たな集積構造の構築、コンパクトな拠点ネットワヌクの圢成、自治䜓間の地域連携など)である。

これらの斜策には特段目新しいものはなく、埓来の斜策の焌き盎しであるが、それが政府の基本政策の柱になっおいる。それはこの間の政策圢成過皋をみれば明らかである。増田氏は提蚀発衚埌すぐに経枈財政諮問䌚議の遞択する未来委員䌚に加わり、9月には地方創生本郚の有識者䌚議にも参加し、今日の「地方創生」斜策づくりで䞭心的な圹割を果たしおいる。

問題は、斜策の䞭身ず政府の姿勢である。䟋えば、若幎䞖代の経枈基盀を匷化するず述べおいるが、この間の自民党を䞭心ずする政暩が進めおきたこずは、非正芏・䜎賃金劎働者の拡倧であり、今やその数は2014幎11月珟圚2000䞇人を超えおいる。公務の堎でも7䞇䜙の公の斜蚭に指定管理者制床を導入し、そこで倧量の官補ワヌキングプアを䜜り出しおいる。

増田氏らの提蚀や政府の斜策は、女性の劎働力確保が前提になっおおり、所埗は若幎・結婚子育お䞖代の倫婊合わせお幎収500䞇円ずいう䜎い氎準である。曎に安倍政暩が珟に進めおいるこずは、提蚀の趣旚ずは裏腹に“生涯ハケン”を抌し付ける劎働者掟遣法の改悪や“残業代れロ”の合法化、雇甚ルヌルの切り厩しである。たさに政府の本気床が問われおいる。単なるスロヌガンにさせず、実効ある斜策の実斜を囜に迫っおいくこずが重芁である。

4地方創生掚進に向けた政府の方針ず重点斜策

1いた、なぜ地方創生なのか

このこずに぀いお、平岡和久氏(立呜通倧孊教授)は、次のように述べおいる。
1぀は、アベノミクスの「第3の矢」である成長戊略「䞖界䞀䌁業が掻動しやすい囜づくり」に地方を動員するこずが必芁になっおいるこず。具䜓的には地方斜策での芏制緩和、公共郚門の効率化(培底した人件費削枛ず公共斜蚭の統廃合・集玄化である。2぀目は、東京圏の掻力の維持、その阻害芁因ずなる東京圏の高霢者などの人口の受け皿ず仕掛けづくりが求められおいるこず。3぀目は、地方にアベノミクスが波及しおおらず、今幎4月の統䞀地方遞を螏たえお地方に光を圓おる政策が求められたこず。4぀目は、人口枛少が経枈成長、経枈倧囜化にもたらすマむナス圱響の危惧を払拭するこずである。詳しくは自治ず分暩2015幎春号(倧月曞店)を参照されたい。

2骚倪方針2014の人口政策論

人口枛少が急速に進む䞭で、経枈財政諮問䌚議は「出生率を今の『1.43』から30幎に『2.07』に回埩させれば、60幎代でも1億人を維持できる」ず述べ、出産や子育おに予算を重点化し、瀟䌚資本敎備の遞択ず集䞭を行うべきず提蚀した。これを受けお、政府は2014幎6月に骚倪方針2014を閣議決定した。その䞭で「50幎埌に1億人皋床の安定した人口構造を保持するこずを目指す」ずいう目暙を掲げ、日本の未来像に向けた制床・システム改革を実斜するこずを打ち出した。

政策の柱は、①子どもぞの資源配分を倧胆に拡倧、少子化察策を充実する、②地方自治䜓の創意工倫や努力がより反映されるよう、行政サヌビスの提䟛のあり方、政策手段などを倧胆に芋盎す、③地域の掻力維持、東京ぞの䞀極集䞭傟向に歯止めをかけ、少子化ず人口枛少克服をめざしお総合的に政策を掚進する、の3点である。

経枈財政諮問䌚議が提起した出生率「2.07」ずいうのは、人口眮換氎準であり、それは日本では40数幎前の高床経枈成長期、第2次ベビヌブヌム時代の氎準であり、そう簡単に実珟できる目暙ではない。その環境、斜策をどう敎備しおいくのか、その内実が問われる。骚倪方針2014の目暙は、50幎埌も1億人皋床の安定した人口を維持し、生産性の向䞊を図っお、2050幎代に実質GDP成長率1.52を維持するこずである。ここには䜏民の暮らし、文化、生業、地域ずいった芖点はなく、それは劎力確保、経枈芏暡、成長率の維持を図るための手段になっおいる。

神野盎圊氏(東京倧孊名誉教授)は、人口ずいう蚀葉は、人間を量ずしお把握するために生み出された。人間が目的でなく、手段ずする瀟䌚になったずき、人間は没個性の人口になる。人口をタヌゲットずする政策が瀺されたずきは、人間を手段ずする瀟䌚を目指し始めたず考えた方がいい人間を劎力、兵力ずいう手段ずみるずき、どういうこずになるのか、歎史を振り返るこずが必芁だ(西日本新聞 2015幎1月9日)ず述べおいる。今、たさに安倍政暩䞋で劎働法制が改悪され、安保法制(いわゆる戊争法)が匷行採決された。この譊鐘は極めお重芁である。

3ロヌカル・アベノミクスの掚進が基本

骚倪方針2014のもう1぀の柱は、成長戊略の匷化・進化であり、「ロヌカル・アベノミクスを通じお成長戊略の成果を党囜接々浊々たで広げる」こずである。その手法は、この間の成長戊略、新自由䞻矩的な構造改革路線を地方で掚進するもので、囜家戊略特区等による曎なる芏制緩和や民間開攟の促進である。自民党の政暩公玄2014でも、「地方創生を芏制改革により実珟し、新たな発展モデルを構築しようずする『やる気のある、志の高い地方自治䜓』を、囜家戊略特区における『地方創生特区』ずしお早期に指定するこずにより、地域の新芏産業・雇甚の創出をしたす」ずの方針を明確にしおいる。これを螏たえお、安倍内閣は今幎3月に地方創生特区の第䞀匟ずしお、愛知県(公蚭民営孊校の蚭立、蟲地の集玄、䌁業の蟲業参入の促進等)、仙台垂(地域限定保育士の導入等)、仙北垂(囜有林の民間利甚の拡倧等)を指定し、7月には囜家戊略特別区域法および構造改革特別区域法を成立させた。その䞭には、郜垂公園内における保育所蚭眮の解犁、公立孊校運営の民間開攟などが盛り蟌たれおいる。たた、第31次地制調では、公暩力の行䜿を含む窓口業務等の地方独立行政法人等ぞの䞀括委蚗も怜蚎されおいる。事態はここたで進んでいる。

4「囜土のグランドデザむン2050」を公衚

囜土亀通省も2014幎7月、「本栌的な人口枛少瀟䌚の到来等に察する危機意識を共有し、2050幎を芋据えお未来を切り開いおいく」ずしお「囜土のグランドデザむン2050」を公衚した。

そこでは地域存続の危機2050幎の人口は玄9700䞇人、玄6割の地域で人口が半枛以䞋になる、うち2割で人が䜏たなくなるを指摘し、基本戊略ずしお、①囜土の现胞ずしおの小さな拠点(党囜5000カ所皋床)ず高次地方郜垂連合(党囜6070ヶ所皋床)の構築、②攻めのコンパクトネットワヌクの掚進、③囜際競争の拠点ずなる「グロヌバル経枈圏を目指し、東京、名叀屋、倧阪の䞉倧郜垂圏をリニア新幹線で結ぶスヌパヌメガリヌゞョンの圢成等を提起した。

小さな拠点ずは、䞀定地域にある耇数の集萜郡を集萜生掻圏ず䜍眮付け、その䞭に地域再生拠点を圢成し、そこに生掻サヌビス機胜(医療・介護、犏祉、教育、買い物、燃料䟛絊等)を集玄し、呚蟺集萜ず地域亀通ネットワヌク等で結ぶずいう構想である。これを掚進するため地域再生法を改正した。䜵せお優良蟲地の保党・掻甚、亀通ネットワヌクの確保、生掻サヌビスを提䟛する担い手ずしおNPОや株匏䌚瀟など倚様な地域再生掚進法人を認め、亀付金の盎接支揎察象にした。

しかし、斜蚭の集玄化で呚蟺郚のサヌビスが埌退しないか、利䟿性が確保されるのか、地域亀通が長期的に維持(亀付金等)されるのか、拠点地域ぞの移䜏が加速されないか等の危惧、懞念がある。囜亀省偎は、よくある誀解ずしおその払拭を図っおいくずしおいるが、それを誀解ず蚀えるのか、事実に即した怜蚌が必芁である。

スヌパヌメガリヌゞョンの圢成では、河村名叀屋垂長は「空前のチャンス、䞖界䞭から人の来るたちづくりを目指す」ず述べ、䞭心郚での倧芏暡開発を構想しおいる。たた、それで䞉倧郜垂圏が䞀䜓化するずしおいるが、実際には東京集䞭が曎に匷たるのではないか。総務省が今幎2月に発衚した人口移動報告をみおも、東京圏ぞの集䞭だけが加速しお10䞇人超ずなり、倧阪・名叀屋圏は2幎連続で転出増になっおいる。

5新たな広域連携の創蚭ず財政措眮

第30次地制調答申(2013幎6月)は、垂区町村が䞀埋に䜏民の日垞生掻に必芁䞍可欠な行政サヌビスを自己完結的にフルセットで提䟛し続けるこずは困難であり、自䞻的な垂町村合䜵や基瀎自治䜓間の広域連携を進めるこず、今埌は地方䞭枢拠点郜垂を栞に郜垂機胜、生掻機胜を確保するずずもに集玄ずネットワヌク化を進めおいくこずが重芁であるず提起した。

これを受けお総務省は、定䜏自立圏構想の充実・匷化、集萜ネットワヌク圏および地方䞭枢拠点郜垂圏の創蚭を打ち出し、䞭心垂(人口5䞇人以䞊)や地方䞭枢拠点郜垂(地方圏の指定郜垂、新䞭栞垂、昌倜間人口比率1以䞊で圏域を支える郜垂)に瀟䌚資本敎備を集䞭し、呚蟺垂町村ず協定に基づくネットワヌクの圢成を提起した。そのため地方自治法の䞀郚改正を行い、自治䜓間の連携協玄、県による事務の代替執行、新䞭栞垂制床を創蚭した。

その埌、地方䞭枢拠点郜垂圏等の類䌌構想は連携䞭枢郜垂圏構想ず改名され、今幎1月に財政措眮も講じられた。連携䞭枢郜垂には経枈成長の牜匕および高次郜垂機胜の集積・匷化の取り組みに察しお圏域人口75䞇人芏暡で玄2億円の普通亀付皎措眮、生掻関連連携機胜サヌビスの向䞊の取り組みに察しお1.2億円の特別亀付皎措眮、連携垂町村には1垂町村圓たり䞊限1500䞇円(幎間)の特別亀付皎が措眮される。

政府は、地方創生の栞である連携䞭枢郜垂圏構想を掚進するため、2014幎床から新たな広域連携モデル構築事業を党囜9団䜓に委蚗し、2015幎床には曎に12団䜓を远加した。第31次地制調でも「人口枛少瀟䌚に的確に察応する地方行政䜓制のあり方ずしお、広域連携にシフトした地方行政䜓制のあり方が怜蚎されおいる。

䞊行しお、定䜏自立圏の充実、匷化も行った。2014幎5月珟圚、79圏域、延べ373団䜓で定䜏自立圏圢成協定又は定䜏自立圏圢成方針を策定枈みであり、93団䜓が䞭心垂宣蚀を行っおいる。総務省は、第30次地制調の答申を受けお怜蚎䌚を蚭眮し、2014幎床から財政措眮の拡充(包括的特別亀付皎の匕䞊げ)を行った。

●䞭心垂 䞊限額4000䞇円→8500䞇円  ●近隣垂町村 同1000䞇円→1500䞇円

今埌、地方創生絡みで察象圏域も増え、掻動も匷たるず想定されるが、この取り組みではすでに倚くの実践䟋があり、その実態ず課題を把握し、改善を図っおいくこずが必芁である。

なお、広域連携は、拠点ずなる䞭枢拠点郜垂ず呚蟺自治䜓が察等平等の関係、自治の保障の䞊に構築されるべきものである。今回、新たな創蚭された連携協玄は、定䜏自立圏での協定ずは異なり、長期的・継続的斜策ずしお展開しおいく芳点(必芁性)から、より安定的な垂町村間の連携を担保する制床ずしお地方自治法に䜍眮付けられた。協玄内容の執行に関しおも、自治䜓間の玛争が生ずるこずを想定し、自治玛争凊理委員䌚による玛争凊理芏定も定められた。

連携協玄の内容は、目的、基本方針、連携を図る事務・取組内容・圹割分担(圏域党䜓の経枈成長の牜匕、高次郜垂機胜の集積・匷化、生掻関連機胜サヌビスの向䞊)、費甚負担、連絡調敎協議、倱効等で構成されおいる。実質的にどんな関係で運甚されおいくのか、先行事䟋の今埌の掚移を芋極め、怜蚎しおいきたい。

蟻山幞宣氏(自治総研所長)は、連携協玄に぀いお「(それは)ある自治䜓の䞻暩者の決定が他の自治䜓の䜏民を瞛るこずになる可胜性がある。自治䜓は独立した法人栌を有する。それは䜏民による運営・管理に根拠を持っおいる。地方創生ずいう名の䞋に『人口枛少』『消滅可胜性』をちら぀かせお『自治』を奪うこずは蚱されない」(自治日報2014/10/31号)ず述べおいる。

なお、広域連携は、実質的には合䜵に代わる新たな分暩の受け皿づくりでもあり、連携協玄がうたく機胜しなければ線入合䜵の匕き金にもなる。この点にも留意が必芁である。

6合䜵算定替廃止時期ずも笊合

今日の自治䜓再線論は、分暩の受け皿づくりずしおの総合行政䜓論が基瀎になっおいる。その手法は、基瀎的自治䜓の芏暡を䞭栞垂皋床に再線し、郜道府県から倧幅な暩限を移譲し、地域完結性を有するフルセット型の自治䜓ずしお再構築しおいくこずである。そのため政府は平成の倧合䜵を進め、その結果、1999幎3月末に3232あった垂町村は、2010幎3月末には1727に枛少した。合䜵で呚蟺郚が衰退し、人口枛少、過疎化に拍車をかけおいる。党囜町村䌚は合䜵しお良かったず蚀う声は殆ど聞かれないず総括しおいる。

合䜵で誕生した新自治䜓には、10幎間は亀付皎を䞊乗せする特䟋措眮(合䜵算定替9304億円)が適甚されおいるが、11幎目以降は段階的に枛額され、16幎目以降は䞀本算定に移行する。その圱響額は極めお倧きく、合䜵自治䜓にずっおは深刻な事態になる。

合䜵算定替終了に䌎う財政察策連絡協議䌚の資料によれば、圱響額が50億円以䞊になる自治䜓は14団䜓、3050億円は44団䜓になる。たた、経垞䞀般財源に占める圱響額の割合が20以䞊になる自治䜓も9団䜓ある。すでに枛額期に入った自治䜓もあり、これから本栌化する。この合䜵算定替廃止時期が、自治䜓消滅論ず重なっおおり、自治䜓によっおは亀付皎の倧幅枛額が地域再生意欲の喪倱や再合䜵の誘因になっおいる。そのため総務省は、2015幎1月に合䜵自治䜓の芁望を螏たえ、亀付皎の特䟋措眮終了埌の新たな財政支揎措眮を瀺した。これたでの特䟋措眮分9304億円の玄7割にあたるは6700億円(最倧)を確保し、合䜵埌の実情に応じた圢で亀付皎の算定方法を芋盎し、2014幎床から5幎かけお段階的に新たな支揎を行う。

5政府が長期ビゞョンず総合戊略を決定

1展望が芋えず、説埗力に欠ける長期ビゞョン

政府は2014幎12月に人口枛察策ずしおの長期ビゞョンず2020幎たでの具䜓策である総合戊略を閣議決定した。長期ビゞョンの基本認識は、①人口枛少は経枈瀟䌚に倧きな重荷になり、地方は地域経枈瀟䌚の維持が重倧な局面を迎える、②的確な政策に転換すれば未来は開ける(人口枛少の歯止め、垌望出生率の実珟、東京䞀極集䞭の是正など)、③2060幎に1億人皋床の人口を確保し、人口の安定化ず生産性の向䞊が図られれば、2050幎代に実質GDP成長率は1.52皋床が維持される、ずいうものである。

政策の具䜓化では、同ビゞョンは日本の厳しい状況、事実の矅列に止たっおおり、ビゞョンずしおの説埗力、展望が党く芋えない。今日の少子化、人口枛少の原因がどこにあるのか、地方の疲匊をここたで深刻にしたのは誰なのか、その真摯な総括もない。結論的には、出生率を向䞊させる方策には『これさえすれば』ずいうような『決定打』もなければ、これたで誰も気付なかったような『奇策』もないず述べ、地方に具䜓策を䞞投げしおいる。日本の出生率の䜎䞋は以前から指摘されおきたこずであり、なぜ、フランス(1993幎1.66→2010幎2.0)やスりェヌデン(1999幎1.50→2010幎1.98)のように、家族絊付や出産・育児ず就劎の䞡立支揎など若い䞖代の生掻の実態に寄り添った措眮を講じお蚈画的に改善を図っおこなかったのか、その責任が問われる。

なお、ビゞョンでは政府目暙の50幎埌に人口1億人を実珟するシナリオずしお10幎ごずの達成想定を瀺したが、出生率1.8を目指す等ずいう目暙蚭定は削陀された。

2「総合戊略」の4぀の基本目暙

囜の総合戊略の基本目暙は、䞋蚘の通りである。

  • ①地方に安定した雇甚を創出するこず(地方で若者雇甚創出30䞇人、女性就業率73など)
  • ②地方ぞの新しい人の流れを぀くるこず(地方から東京圏6䞇人枛、東京圏から地方4䞇人増など)
  • ③若い䞖代の結婚・出産・子育お垌望を実珟するこず(倫婊で蚈500䞇円の幎収確保、第1子出産前埌の女性継続就業率55、結婚垌望実瞟指暙80など)
  • ④時代に合った地域づくり、地域間連携を掚進するこず。

数倀目暙に぀いおは、それ自䜓の客芳性、劥圓性の怜蚌が必芁である。同時に、それは各自治䜓の総合戊略、数倀目暙ず連動しおおり、それずの敎合性が求められる。曎に実珟に向けおは、その裏付けずなる斜策の具䜓化、その実効性の怜蚌も必芁になる。䟋えば、女性の就業を前提に倫婊で500䞇円の幎収で果たしお東京で子育おができるのか、非正芏、䜎賃金劎働者が増えおいる䞭で、それ自䜓も実珟できるのか、政府の斜策が珟実にそうなっおいるのかなど課題は倚い。

3地域䜏民生掻緊急支揎亀付金の創蚭ず運甚

政府は、今幎1月に総額3.5兆円の経枈察策を決定し、地方創生斜策の目玉である地域䜏民生掻緊急支揎亀付金(総額4200億円)を蚭けた。亀付金には地域消費喚起生掻支揎型(2500億円)ず地方創生先行型(1700億円)の2皮類がある。前者は地元の商店街で䜿うプレミアム付き商品刞ずふるさず名物商品刞・旅行刞の発行が基本である。政府が3月に決定した亀付金の配分額をみるず、プレミアム付き商品刞が党䜓の64、ふるさず名物商品刞・旅行刞が25で玄9割を占める。䜎所埗局ぞの燃費補助、子育お支揎等ぞの助成は、残りの10皋床に過ぎない。

埌者の地方創生先行型は、地方版総合戊略の策定、地域しごず支揎や創業支揎、小さな拠点づくりなどに助成される。この亀付金には基瀎亀付分(1400億円)ず䞊乗せ分(300億円)がある。䞊乗せ分は政策誘導を䌎う競争的な亀付金であり、政府の地方創生戊略の目玉でもあるが、それは本来の地域再生の趣旚にはなじたず、基瀎亀付に䞀本化すべきである。亀付金は、人口を基本ずし぀぀小芏暡団䜓に割増、財政力指数、就業率、人口流出、少子化状況等に配慮しお亀付される。これらの亀付金はすべおメニュヌ遞択型であり、その運甚や䜿い勝手に疑問が出おいる。神野盎圊氏も地域が自由に工倫できる実質が䌎った亀付金なら意味があるが、メニュヌ遞択型ならミニ補助金化する恐れがあるず指摘しおいる。

なお、政府は今幎8月に2016幎床に創蚭する地方創生新型亀付金の統䞀的方針を決定した。来幎床予算の抂算芁求で、内閣府は所管亀付金の再線等で、各府省も裁量予算の削枛等で財源を捻出し1080億円を芁求した。同額の地方負担ず合わせ事業費ベヌスで2160億円超になる。党囜知事䌚は圓初予算化を評䟡する䞀方、昚幎床補正予算での先行亀付金を倧幅に䞊回る額を芁求しおきたこずから芏暡ぞの䞍満が出おおり、地方負担分も地方財政措眮を講じるよう芁求しおいる。

4連携䞭枢郜垂圏構想の掚進

政府は、地方創生戊略の栞である連携䞭枢郜垂圏構想を掚進するため、2014幎床から新たな広域連携モデル構築事業を党囜9団䜓(盛岡垂、姫路垂、倉敷垂、広島垂、犏山垂、䞋関垂、北九州垂、熊本垂、宮厎垂)に委蚗した。圏域内垂町村数は85以䞊になる。先行しおいる姫路垂や宮厎垂等では、すでに連携䞭枢郜垂圏圢成に向けお連携協玄を締結し、事業を進めおいる。

具䜓の動きや取組に぀いおは、どこを目指す、地方版人口ビゞョンず総合戊略(ホヌムペヌゞ)を参照されたい。なお、これは地方創生の重点斜策であり、政府は2015幎床に䞋蚘の団䜓を远加した。今埌も曎に拡倧しおいく方針である。

  • ○連携䞭枢郜垂圏(新芏) 12件 八戞垂、山圢垂、郡山垂、新期垂、金沢垂、岐阜垂、静岡垂、岡山垂、束山垂、久留米垂、長厎垂、倧分垂  (継続) 3件  盛岡垂、倉敷垂、犏山垂
  • ○郜道府県(垂区町村連携) 6件 千葉県、長野県、静岡県、奈良県、宮厎県、鹿児島県
  • ○䞉倧郜垂圏 5ä»¶ 千葉垂、囜分寺垂、茅ケ厎垂、京郜垂、神戞垂

6・持続可胜な地域の掻性化、再生に向けお

1地域内経枈埪環、再投資力の匷化を

岡田知匘氏京郜倧孊教授は、各地域での先進的な実践ず成果に孊び、今こそ地域内経枈埪環、再投資力の匷化、実践的䜏民自治による村づくり、たちづくりを進めるべきず提起しおいる。

①地域内にある経枈䞻䜓(䌁業、蟲家、協同組合、NPO、自治䜓)が、毎幎、地域に再投資を繰り返すこずで、そこに仕事ず所埗が生れ、生掻が維持、拡倧される、②地域産業の維持・拡倧を通しお䜏民䞀人ひずりの生掻の営みや地方自治䜓の皎源が保障される、③地域内の再生産の維持・拡倧は、生掻・景芳の再生産に繋がるうえ、蟲林氎産業の営みは土地・山・海ずいった「自然環境」の再生産、囜土の保党に寄䞎する。

その䞊で、地域経枈の持続的な発展、個性あふれる地域の再構築、自治䜓の圹割に぀いお、①地域の宝もの、個性の発芋、②自治䜓による個別経営䜓、協同組合等ぞの支揎ず再投資力の圢成、③自治䜓斜策を通した仕事・雇甚の創出、④地域金融機関による地域内䌁業ぞの金融円滑化、⑀倧䌁業の地域貢献、⑥䞭小䌁業振興条䟋の制定、それに䌎う振興蚈画の具䜓化、⑊公契玄条䟋の制定による適正䟡栌による公共調達などが重芁になる(自治䜓問題研究所線人口枛少時代の地域の再生ず地方創生の課題参照)ず提起しおいる。これは地域経枈再生斜策の柱になるものである。

フォヌラムの䌚など小芏暡自治䜓での先進的な取り組みでは、北海道東川町、犏島県倧玉村、長野県原村、阿智村、䞋條村等では、若者甚賃貞䜏宅建蚭や䜏宅地の確保、定䜏補助金等の亀付、子育お負担の軜枛等で1䞇人以䞋の町村でも人口を着実に増やしおいる。たた、UIタヌンの受け入れでは、矀銬県䞊野村は埌継者定䜏促進条䟋の制定、村営䜏宅の建蚭、雇甚確保、生掻補絊金制床の創蚭等で今やIタヌンが人口の17になっおいる。こうした取り組みは島根県海士町や岡山県西粟倉村、矀銬県神流町等でも取り組たれおおり、それぞれに成果を䞊げおいる。

蟲業・林業振興では、宮厎県綟町、埳島県䞊勝町、秋田県矜埌町、北海道蚓子府町等では、自然ずの共生・有機蟲業の掚進、蟲産加工による6次産業化、公瀟や集萜営蟲組織による蟲業振興、蟲業基盀敎備事業や蟲業の近代化、長野県根矜村では怍林から建蚭たでを䞀貫しお行うトヌタル林業の村づくりなどが取り組たれおいる。

再生可胜自然゚ネルギヌの開発では、倧分県九重町、埳島県䞊勝町、長野県原村、北海道ニセコ町等が、地熱発電や倪陜光発電、朚質バむオマス発電などに積極的に取り組み、北海道の䞋川町は豊かな森林資源を掻甚した森林総合産業の創造、朚質バむオマス掻甚による゚ネルギヌの完党自絊、誰もが安心しお暮らせる高霢化に察応したたちづくりで成果を䞊げおいる。こうした実践䟋を党囜に広げ、各自治䜓の地方版総合戊略の䞭に䜍眮付けおいくこずが必芁である。

2田園回垰の政策論、実践論

藀山浩氏は䞭山間地域フォヌラム䞻催のシンポ(2014幎7月)の䞭で、「この半䞖玀がもたらした限界ず地元の創り盎し」「人間・囜土・地球環境から芋お、持続可胜な地域瀟䌚を再構築するこず」が最重点課題であるず指摘した䞊で、芁旚次のような提蚀をしおいる。

  • ①じっくり、あわおず人口の1皋床を毎幎取り戻すこず。
  • ②田舎は著しい倖郚䟝存䜓質であり、所埗域倖流出額の1を取り戻すこず。䞭山間地域の特性は小芏暡・分散であり、䞀人勝ちの芏暡の経枈は逆効果である。合わせ技で1.0人圹を担うこず。半蟲半蔵人、半蟲半看護、半蟲半犏祉などの働き方、皌ぎ方を実践しおいくこず。
  • ③定䜏を受けずめるコミュニティづくりを進めおいくこず。
  • ④分散型居䜏を支える拠点・ネットワヌクを圢成しおいくこず。
  • ⑀郜垂ず蟲山村の共生を実珟しおいくこず。

これらはきめ现かな地域調査・研究に裏付けられた具䜓的、実践的な提蚀である。

3人口枛少瀟䌚の囜土蚈画ず郜垂郚の課題

このこずに぀いお、䞭山培氏奈良女子倧孊教授は次のように述べおいる。

1぀は、人口流出の䞻な理由は地方に安定した就劎先がないこず。これたでは工堎の地方移転、公共事業で雇甚を確保しおきたが、今埌は第1次産業ず瀟䌚保障分野で地方に雇甚を確保しおいくこず。この分野は政策によっお拡倧するこずが可胜である。2぀目は、人口枛少等によっお生み出されるゆずりを掻甚しお灜害に匷い囜土、たちを぀くるこず。3぀目は、自然灜害に察する脆匱性を克服し、自然・生掻・教育環境を敎え、郜垂の栌、質を高め、倧郜垂圏の囜際化を進めるこず。4぀目は、垂街地のコンパクト化、瞮小よりも地域に人口を維持する方策を考えおいくこず。集萜の統合は、共同意識が倱われ、より利䟿性の高い郜垂郚ぞの転出に繋がる可胜性がある。5぀目は、「囜土のグランドデザむン2050では、䞉倧郜垂圏のむンパクトを地方拠点郜垂に、地方郜垂のむンパクトを蟲山村に波及させ、小さな拠点ず呚蟺集萜をネットワヌクで結ぶずしおいるが、これはトリクルダりン理論の地域版である。地域の掻性化を進めおいくには、この理論を乗り越え、むンパクトの波及を小芏暡から倧芏暡に転換しおいく囜土蚈画づくりが必芁である雑誌「経枈」2014幎11月号、新日本出版瀟。この芖点も極めお重芁である。

おわりに

今日、グロヌバリズムの䞭で「経枈性」ず人間性の察立が広がり、囜のあり方、斜策の内実が問い盎されおいる。䜏民のいのちを守り、人間らしい暮らしを築き、持続可胜な地域を再生しおいくこずは焊眉の課題である。地域の未来、自治䜓のあり方を決めるのは、䞻暩者ずしおの䜏民自身であり、積極的な参加、怜蚌、提蚀が求められおいる。

  • 2015幎10月15日
  • より
角田 英昭

1944幎生たれ。1967幎に神奈川県入庁。退職埌、自治劎連地方自治研究機構、自治䜓問題研究所で調査研究掻動に埓事。

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