新庄村は岡山県の北西端に位置する人口約1000人の県内最少の自治体です。旧出雲街道の宿場町として栄え、村のメインストリートにあたる「がいせん桜通り」は132本の桜が四季を彩ります。また本陣跡などの歴史的建造物が、当時の生活の営みをいまに伝えます。
しかし、かつての交通の要衝も、近隣の道路開発の影響で村内の幹線道路の交通量が減少。通りがかりの来村客を見込めなくなって以来、村が「旅の目的地」として選ばれるための実効性のある観光開発が求められています。
幸いにも「がいせん桜」は県下屈指の桜の名所として認知されており、春のがいせん桜祭りには約5万人が訪れます。また夏には国立公園毛無山の登山、秋には村内の山岳エリアの魅力をまるごと味わえるトレイルラン大会など、中山間地ならではの豊かな自然資源に関心が寄せられています。
現在、村内には宿泊施設や食事を提供する場所が十分にありません。観光で来られた皆さんに満足いただける新庄村ならではのサービスを提供し、対価をきちんといただく。そのための観光産業の基盤整備として道の駅のリニューアルオープン、新しいご当地商品ブランドの開発、さらに古民家を改装した宿泊施設の整備を進めています。
新庄村における「観光」は、産業としてはまだまだ未開のフロンティア。地方に熱い視線が向けられているいまこそ絶好の機会と考え、村民一家族となって取り組んでいます。