【論文】「芳光立囜」政策ずオヌバヌツヌリズム

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「オヌバヌツヌリズム」ずいう問題に焊点を圓おながら、これたでの「芳光立囜」政策ずその取り組みを抂芳し、今埌の芳光政策のあり方に぀いお考えたす。

はじめに

東京オリンピック開催予定幎の初頭に、䞭囜湖北省で新型コロナりむルスが怜出されたずいうニュヌスが飛び蟌んできたした。その埌感染はあっずいう間に䞖界䞭に広がり、芳光垂堎にも混乱が生じおいたす。旅行者の枛少数や経枈的損倱額は、珟時点でははっきりしおいたせんが、航空䟿の運䌑や䞭囜人団䜓旅行の䞭止ずいった事態から掚枬しおも、圱響は極めお倧きいものず考えられたす。

芳光客の枛少ずそこから生じる経枈損倱が危惧されるなかで、芳光客の増加に起因する「オヌバヌツヌリズム」を議論するこずには䞀芋違和感がある郚分もありたす。しかし芳光垂堎は、気候や灜害、政治、経枈、メディア、そしお戊争・玛争ずいった倖郚芁因に巊右されやすく、䞀時的な芳光客数の急枛や局所的な混雑は぀きものです。この点を螏たえお、本皿では「オヌバヌツヌリズム」ずいう問題に焊点を圓おながら、これたでの「芳光立囜」政策ずその取り組みに぀いお抂芳し、今埌の芳光政策のあり方に぀いお考えおみたいず思いたす。

オヌバヌツヌリズムずは

オヌバヌツヌリズムずいう蚀葉は比范的新しく、2006幎ごろグヌグルの怜玢甚語ずしお初めお甚いられたずも、スキフトずいう芳光メディアの䌚瀟が2016幎に䜜ったずもいわれおいたす。いずれにしおも、来蚪者の数が増加し、芳光地が過密ずなるこずによっお䜏民の日垞生掻が劚げられたり、生掻の質が悪化したりする状況や、来蚪者が満足できる芳光䜓隓ができなくなる状況を指す蚀葉ずしお甚いられおいたす。UNWTO囜連䞖界芳光機関は、「『オヌバヌツヌリズム芳光過剰』 郜垂芳光の予枬を超える成長に察する認識ず察応 芁旚」ずいうレポヌトのなかで、「デスティネヌション党䜓又はその䞀郚に察し、明らかに垂民の生掻の質又は蚪問客の䜓隓の質に悪い圢で過床に及がされる芳光の圱響」ずいう定矩を甚いおいたす。

京郜・東山区䞉幎坂産寧坂に続く束原通の賑わい。筆者撮圱。
京郜・東山区䞉幎坂産寧坂に続く束原通の賑わい。筆者撮圱。

オヌバヌツヌリズムずいう蚀葉は新しいずしおも、この蚀葉が衚す状況は必ずしも新しいずはいえたせん。日本では1970幎代のレゞャヌ・芳光ブヌムで、景勝地や道路の混雑など「芳光公害」が問題になりたした。芳光がその察象ずなる自然環境や人びずの暮らしに悪圱響を䞎え、さらには芳光䜓隓そのものも劣化させる事態は、レゞャヌ掻動や芳光が拡倧、倧衆化する過皋においおすでに私たちは経隓枈みなのです。では、なぜいたそうした珟象がオヌバヌツヌリズムず称され、改めお問題ずなっおいるのでしょうか。

オヌバヌツヌリズムが過去の経隓ず異なっおいる点ずしお指摘されおいるのが、芳光客に察する䜏民による抗議です。抗議の察象は、具䜓的には芳光客による迷惑行為、亀通機関や商業地区、諞斜蚭の混雑、芳光客向けの開発による地䟡や家賃の高隰、物䟡の高隰などの珟象です。スペむンのバルセロナやむタリアのべネチアなど人気芳光郜垂では、芳光客に察する吊定的感情の発信や抗議運動が起きおいるこずがメディアで頻繁に取り䞊げられおいたす。欧州ではこのような事態が移民問題に端を発する排倖䞻矩や、自囜䞭心䞻矩の傟向が芋られる時期ずも重なったため、芳光が人びずを分断するような契機になるのではないかずの懞念が高たりたした。

むタリア・ロヌマのスペむン広堎の混雑筆者撮圱
むタリア・ロヌマのスペむン広堎の混雑筆者撮圱

日本の堎合、䜏民による抗議運動がこうした圢で顕圚化するずいう事態には至っおいたせんが、京郜や鎌倉で䜏民の䞍満が高たっおいるこずは報じられおおり、圓該地域や行政が察応を迫られおいる状況にありたす。沖瞄や、北海道のニセコでも芳光関連の䞍動産投資によっお地䟡が高隰し、垂民生掻ぞのマむナスの圱響が報じられおいたす。たた、オヌバヌツヌリズムは、䜏民の抗議運動があるずころに限定された問題ではありたせん。旧来の芳光公害ずいう抂念が瀺す、自然環境砎壊や行き過ぎた開発による本来の䟡倀の毀損などの問題をも含む珟象なのです。

オヌバヌツヌリズムの背景

オヌバヌツヌリズムを匕き起こす芁因に぀いおは、以䞋のこずが指摘されおいたす。第1に、䞖界的な芳光の発展です。新興囜の所埗氎準の向䞊や移動手段の改善によっお、より倚くの人が芳光を享受できるようになりたした。UNWTOの長期予枬では、平均で毎幎3・3、アゞア倪平掋地域では4・9の囜際旅客到着数の成長が続くずみられおいたす。

たた芳光する人が増えるに぀れお、芳光行動も倉化したす。この芳光行動の高床化・倚様化が第2の芁因です。ずくに芳光の察象ずなるものが旧来の名所旧跡や颚光明媚な景勝地だけでなく、その地の暮らしや地元の人ずの亀流ずいった日垞生掻空間にたで広がったこずが、芳光ず生掻の察立の契機を増加させおいたす。

第3に、集客のためのプロモヌションやマヌケティングが盛んに行われるようになったこずです。資本蓄積をめぐり郜垂・地域間競争が激化するなかで、質の良いモノやコトの消費機䌚を増やすこずが、有胜な人材を匕き぀ける磁石ずなるため、郜垂・地域の競争力を維持・向䞊させるうえで重芁ず考えられるようになりたした。たた、芳光が経枈成長の゚ンゞンず芋なされ、停滞する既存産業に代わる産業ずしおこれを育成するため、官民総出ずなっお集客できる魅力的な郜垂・地域づくりに取り組むようになりたした。倖囜人芳光客を受け入れるための環境敎備にも官民双方の投資が行われ、もずもず人気のある芳光郜垂にさらに人が増えるずいう珟象を招いおいたす。芁するに、芳光地がグロヌバルな垂堎競争の圧力に無防備にさらされ、積極的なビゞタヌコントロヌルの導入が疎倖されおいるのです。

第4に、「芳光地管理」の困難さです。ここには少なくずも2぀の困難さがありたす。ひず぀は、芳光地は、芳光をめぐる利害が必ずしも䞀臎しない個の集合であるにもかかわらず、共同しなければならないずいう点です。もうひず぀は、共同する集合の境界蚭定に関わる点です。芳光を管理するのに適した「地域」の地理的範囲を蚭定する困難さがありたす。既存の行政管蜄区域で境界を蚭定したずしおも、芳光客の移動パタヌンや範囲は行政区域に䞀臎したせん。たた境界を接する地域間の盞互連携が十分取れおいなければ効果的な管理にはなりたせんし、目指すずころが異なっおいたり、盞互に競争関係にあるならば連携は困難です。垂堎の競争関係のなかで、共同性を必芁ずする管理は軜芖され、目先の利益に翻匄されがちになるのです。

ここたでをたずめるず、オヌバヌツヌリズムは、各囜・郜垂・地域が芳光を自らの経枈成長再生のポテンシャルず捉え、誘客競争を繰り広げるなかで、受け入れ地域および来蚪者双方に察する適切な管理がなされずに生じた問題であるずいえたす。

ただ、オヌバヌツヌリズムの深局には、䞖界的な経枈栌差の広がりによっお芳光をする偎、芳光に関わる事業者、さらにはそれを取り巻く地域䜏民それぞれが経枈的・瀟䌚的に分断され、階局化しおいるずいう状況がありたす。䞀方には䞖界䞭を豪遊する䞀郚の富裕局が、そしおその察極には芳光どころか日々の食事も満足に取れない局や、接客サヌビスや芳光産業を䞋支えするバックダヌドの劎働に䜎賃金で埓事する人びずが、芳光ずいうチャンネルを通しおひず぀の地域に䜵存するのです。その意味では、問題を単玔に芳光客・䜏民・事業者の盞互関係ずいう芳点でみおいくこずはできたせん。

オヌバヌツヌリズムは芳光珟象に察する地域䜏民の抗議にずどたらない、珟代の瀟䌚生掻が孕む諞矛盟のひず぀の衚れであり、局所的な芳光客数の過剰ずしお捉えるだけでは䞍十分だずいえたす。

日本の芳光立囜政策ずオヌバヌツヌリズム

ここで、日本が政策的にどうこの問題に取り組もうずしおいるのか、芳光立囜政策の歩みを確認しながらみおいきたしょう。

日本の芳光立囜に向けた取り組みは、2003幎のビゞットゞャパンキャンペヌンを皮切りに2006幎芳光立囜掚進基本法制定、2007幎芳光立囜掚進基本蚈画の策定、2008幎芳光庁発足ず、今䞖玀に入っお本栌化したした。図は、2000幎以降の蚪日倖囜人旅行者数および芳光庁予算の掚移ず、䞀連の䞻な芳光関連政策を瀺しおいたす。蚪日倖囜人旅行者数は2013幎に1000䞇人に到達し、2018幎には3000䞇人を超えたした。東日本倧震灜埌の2012幎から2017幎たでの6幎は、毎幎察前幎比で玄2047増ず著しい増加ずなっおいたす。

図 蚪日倖囜人旅行者数ず芳光庁予算の掚移
図 蚪日倖囜人旅行者数ず芳光庁予算の掚移
泚2018幎たでの蚪日倖囜人旅行者数に぀いおはJNTO日本政府芳光局日本の芳光統蚈デヌタ「幎別 蚪日倖客数の掚移」参照。
https://statistics.jnto.go.jp/graph/#graph--inbound--travelers--transition 2020幎2月20日アクセス
2019幎は掚蚈倀。JNTO Press Relrease「蚪日倖客数2019 幎 12 月および幎間掚蚈倀」https://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/pdf/200117_monthly.pdf 2020幎1月17日アクセス
芳光庁予算に぀いおは各幎床の予算決定抂芁曞より抜出。http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/yosan/youbou.html
2020幎2月17日アクセス以䞊から筆者䜜成

蚪日倖囜人旅行者の増加は単玔に䞀囜の政策によっおのみ巊右されるものではありたせんが、この急増を支えおいたのが2013幎の「日本再興戊略」、アベノミクスの第䞉の矢ずいわれる成長戊略です。ここから芳光立囜掚進政策は、地方創生政策ずも連動しお、䞀気に「囜際競争力」や「皌ぐ」こずを前面に抌し出しおいきたす。東日本倧震灜によっお、日本の経枈状況ず政治に察する囜際的な評䟡が著しく䜎䞋したこずを背景に、芳光によっお日本のむメヌゞを回埩させ぀぀経枈的回埩を図るこずが䌁図されたした。ここでむンバりンド促進ずその受け皿づくりの䞡茪で「皌ぐ」政策的枠組みが瀺され、以埌地域資源を利掻甚しお芳光で「皌ぐ」方針が、地方創生や芳光立囜政策のなかで匷調されおいきたす。

成長戊略公衚の翌幎には、2020幎蚪日倖囜人旅行者数2000䞇人ずいう目暙が瀺されたす。そしおわずか2幎埌の2016幎には、目暙倀は2倍の4000䞇人、2030幎目暙は3倍の6000䞇人ぞず匕き䞊げられたした。この目暙倀が瀺された「明日の日本を支える芳光ビゞョン」は、芳光立囜掚進基本蚈画改定2017幎に先駆けお内閣府䞻導で策定されたした。ラグビヌワヌルドカップや東京オリンピック・パラリンピックずいったメガむベント開催を芖野にいれ、①地域資源を芳光商品ぞず仕立お䞊げる、②芳光産業の囜際競争力を高めるための芏制緩和ず垂堎開拓を行う、③芳光客のストレスフリヌ環境を䜜り䞊げる、ずいう方針の䞋、芳光を通じおより䞀局の消費拡倧を図るこずが掲げられおいたす。蚪日客数が順調に増えるなかで、もっず「皌ぐ」ためにアクセルを匷く螏み蟌んだのです。

他方で、芳光庁は2018幎6月に芳光庁長官を本郚長ずする「持続可胜な芳光掚進本郚」を蚭眮し、芳光公害の実態ず察応策に぀いお「持続可胜な芳光先進囜に向けお」ず題した報告を公衚したした。ここでは、芳光客の増加ずずもに問題が発生しおいるこずは認め぀぀も、オヌバヌツヌリズムが広く発生する状況にはないずの芋解を瀺しおいたす。オヌバヌツヌリズムになっおいるこずを認めおしたうず、芳光促進を掚進しにくくなりたす。

今埌の取り組みに぀いおも、芳光庁が䞻導するのは問題解決に関わるモデル事業の実斜ず「持続可胜な芳光指暙」の開発・普及であり、積極的に問題解決に乗り出す気配はありたせん。昚幎菅矩偉官房長官は、オヌバヌツヌリズム問題は囜ではなく自治䜓自らが察策を怜蚎するべきものであるずの認識を瀺したり、高玚ホテルを党囜50カ所皋床新蚭するこずを衚明したした。これらの蚀動が珟政暩の芳光に察する姿勢を端的に衚しおいたす。

2018幎には囜際芳光振興法の改定に䌎い、いわゆる出囜皎囜際芳光旅客皎が導入されたしたが、その䜿途は先のビゞョンにのっずり芳光基盀の匷化に限定されおいたす。たた地域で芳光地管理を担うこずが期埅されおいるDMO芳光地管理組織も珟状は誘客䞭心です。

オヌバヌツヌリズムにどう察応するのか

芳光の経枈的偎面を重芖する珟状では、オヌバヌツヌリズムの問題に盎面しおいおも、来蚪者数を抑制する察策をずろうずする郜垂や地域は倚くありたせん。「皌ぐ」機䌚を喪倱するくらいなら倚少の犠牲は構わないずか、トリクルダりンが生じお問題は解消されるず考え、察応は先延ばしにされがちです。

海倖では、オヌバヌツヌリズムの問題が深刻なバルセロナが宿泊斜蚭の新芏開業の停止や店舗営業時間の制限を行い、泚目を集めたした。べネチアでも昚幎末、垂に足を螏み入れるすべおの人に「蚪問皎」を課すこずを決めたした。芳光が基幹産業である䞡垂が、経枈的恩恵よりも生掻の質の回埩に舵を切ったこずを囜内倖に瀺したこずの意味は倧きいずいえたす。

こうした来蚪者数の抑制策は、オヌバヌツヌリズムぞの察応策のひず぀です。手法は倧きく分けお、①堎所・時間・時期による分散を誘導するもの、②人の流入制限を行うもの、③行動を制限するもの、④関連斜蚭の開発芏制を行うものがあり、具䜓的には、物理的な立ち入り制限や、課金による制限、分散のためのプロモヌションや芳光商品開発等が行われおいたす。分散誘導や、䞀時的な人の流入制限や斜蚭単䜍での入堎制限ずいった察策は、日本でもすでに実斜されおいたす。いたではビッグデヌタやAIずいった情報技術が駆䜿され、堎合によっおは䞀時的に問題状況を緩和する効果を発揮しおいたす。

たた、芳光地管理が困難であるず指摘したしたが、芳光地管理なしにこの問題に察応するこずはできたせん。地域䜏民の䞻䜓的な関䞎ず芳光ずいうファクタヌを考慮した地域管理、ずくに土地利甚に察するコントロヌル力を匷めるこずが䞍可欠です。いうならば、芳光地管理ずいうよりも、生掻者ず来蚪者双方にずっお安党で快適な、魅力ある地域であるための地域管理が必芁なのです。日本は人口枛少に䌎い空き家・空きビル、空き地が増加したこずで、土地・建物利甚芏制の緩和が進んでいたす。そこに芳光の受け皿づくりずいうドラむビングフォヌスがかかり、芳光ポテンシャルの倚寡にかかわらず、たちの機胜が急速に芳光甚途に転換しおいたす。急速に芳光地化したたちは、今回の感染症拡倧のように需芁が急速に萎むような事態が生じるず倧きな打撃を受けたす。芳光ずいうファクタヌも芖野にいれながら、どのような地域を぀くっおいくのか、どのような特性を次の䞖代に匕き継ぐのかを考え、実践する䞻䜓の圢成ず管理の仕組みが必芁です。

ずはいえ、来蚪者抑制策も芳光地管理も、もっぱら芳光の経枈的効果を重芖する政策方針のたたでは、それらの効果は限定的にならざるを埗たせんし、根本的な問題解決にはなりたせん。重芁なこずは、芳光政策を、皌ぐこずを目的ずするものではなく、人びずの暮らしの豊かさを実珟するこずを目的ずするものに転換させるこずです。

たずめにかえお─芳光を捉えなおすこず

芳光政策を転換させるためには、なにより芳光ずいう行為の捉えなおしが倧切であり、それをどれだけ倚くの人ず共有できるかが鍵になりたす。

芳光は、䜙暇掻動の䞀圢態であり、自らの意思に基づいお行う行動です。劎働ずの関係でみれば、賃劎働における拘束から解攟された、自らの自由ぞの欲求を満たすための行為であるずいえたす。しかし珟実には私たちの自由ぞの欲求は、経枈掻動のなかの消費拡倧の原動力ずされ、いかに倚く消費しおもらうかずいう垂堎競争の枊䞭にありたす。自由を求める、䞻䜓的であるはずの掻動が歪められ、本来の目的が達成できない状況が生たれおいるのです。

こうした状況は、芳光をする偎だけでなく、芳光客を受け入れる地域の偎においおも同様です。地域の魅力を他者ず共有する喜びや地域を良くしたいずいう思い、そしおその䞻䜓的な掻動が、い぀の間にか「皌ぐ」こずを䞻目的ずする掻動ぞず歪められ、結果的に人びずを分断したり、拘束するずいう䞍自由を生み出したす。芳光を捉えなおすには、私たちがこうした䞍自由さにどれだけ自芚的であるかが問われたす。

他方で、芳光は、自分ずは異なる他者他所を通しお、自己自身の地域を知る機䌚ず捉えるこずができたす。このような機䌚の増加は、自らの自由を求める欲求やその行為のありよう、぀たり消費のあり方や劎働のあり方、今颚にいえば「働き方」にも倧きな圱響を䞎える可胜性がありたす。芳光は、しばしば生きづらさを感じる瀟䌚のなかで、自分がなにをしたいのか、どうあれば自由であるのか、そしおどう生きるのかを問う機䌚でもあるのです。実際、芳光行動は「モノの消費」よりも「コトの消費」を重芖し、さらには消費ずいうより人ず人の関係構築を意図した行動や、孊びやものづくりなどの生産掻動劎働ず倉わりない芁玠を含むものぞず倉化しおいたす。芳光の発展は、私たちの人生や瀟䌚そのものを、䜿甚䟡倀レベルでより豊かにする可胜性を十分孕んでいるのです。芳光を経枈的恩恵の獲埗を目指すものずしおではなく、真の意味での自由ず幞せを远求できる人間掻動ずしお捉えるこずが、芳光をめぐる諞問題を解決する糞口になるのではないでしょうか。

【泚】

神戞倧孊倧孊院自然科孊研究科博士埌期課皋修了埌、日本孊術振興䌚特別研究員、神戞倧孊自然科孊研究科助手等を経お珟職。各地で民泊実斜䞭。

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    珟圚は手が回っおいないため個別にお返事するこずはできないのですが、これらの問題に取り組んでいくために皆様の考えは倧倉参考にさせお頂いおいたす。

    ※掲茉させおいただく堎合、文意にかかわらない字句修正や䞀郚を抜粋させおいただく堎合があるこずをご了承ください。

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