社会保障のしくみと法

    書籍名 社会保障のしくみと法
    著者名等 伊藤 周平 (著)
    価格 ¥2,970(税込)
    発行年月日: 2017年7月20日
    ISBN-10 488037668X
    ISBN-13 9784880376684
    C-CODE C0036
    ページ数 322ページ
    本のサイズ A5

書籍の内容

私たちを取り巻く社会保障の現状

社会保障判例を踏まえ、生活保護、年金、社会手当、医療保障、社会福祉、労働保険の法制度を概観し、国民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(日本国憲法25条1項)のあり方を問う。財源問題を中心に社会保障全般にわたる課題と社会保障法理論の課題を展望する。

目次

略語一覧

●第1章 社会保障の法体系と社会保障の権利

第1節 社会保障の概念と法体系

  • 1 社会保障とは何か─社会保障の生成と発展
  • 2 社会保障の定義と内容
  • 3 社会保障の法体系
  • 4 社会保障の主要4制度と社会保障立法の概要

第2節 社会保障法と憲法

  • 1 社会保障法と生存権(憲法25条)
  • 2 憲法学での生存権論の展開と裁量統制の法理
  • 3 外国人と社会保障
  • 4 社会保障法と平等原則(憲法14条)
  • 5 社会保障法と租税法律主義(憲法84条)
  • 6 社会保障法と憲法13条、29条、89条後段

第3節 社会保障の権利

  • 1 社会保障の権利の意義と内容
  • 2 社会保障受給権
  • 3 申請権と手続的権利
  • 4 処遇過程の権利
  • 5 免除権
  • 6 争訟権
  • 7 参加権

●第2章 公的扶助(生活保護)

  • 1 公的扶助制度の沿革と変遷
  • 2 生活保護の現状
  • 3 生活保護法の基本原則と保護の要件
  • 4 保護基準および必要即応の原則と世帯単位の原則
  • 5 生活保護の種類と方法
  • 6 保護の実施体制と実施過程
  • 7 権利救済と行政争訟
  • 8 生活保護法の課題

●第3章 年 金

  • 1 公的年金制度の沿革と年金制度改革
  • 2 公的年金制度の概要
  • 3 公的年金制度の目的と特徴
  • 4 公的年金の適用と年金受給権
  • 5 年金給付
  • 6 年金財政と運用
  • 7 不服申立てと行政訴訟
  • 8 年金法の課題

●第4章 社会手当

  • 1 社会手当の意義と沿革
  • 2 児童手当
  • 3 児童扶養手当
  • 4 特別児童扶養手当と特別障害給付金
  • 5 社会手当受給権をめぐる問題
  • 6 社会手当の課題
  • ●第5章 医療保障

    第1節 医療保障法の沿革と体系

    • 1 医療保障法の沿革
    • 2 医療保障の法体系

    第2節 医療保険のしくみと法

    • 1 医療保険の被保険者と適用
    • 2 保険給付
    • 3 保険医療機関と診療報酬制度
    • 4 混合診療をめぐる問題

    第3節 医療保険の財政方式と高齢者医療

    • 1 医療保険の財源と運営方式
    • 2 健康保険の保険料
    • 3 国民健康保険の保険料
    • 4 高齢者医療

    第4節 医療提供体制に関する法

    • 1 医療提供施設と医療従事者
    • 2 医療施設に関する規制
    • 3 医療・介護総合確保法(医療法改正部分)の内容と問題点

    第5節 公費負担医療

    • 1 公費負担医療の特徴と種類
    • 2 被爆者援護法
    • 3 予防接種法による医療
    • 4 難病医療法

    第6節 医療制度改革の展開と医療保障の課題

    • 1 医療制度改革の展開-国民健康保険の都道府県単位化と患者負担の増大
    • 2 医療保障の課題

    ●第6章 社会福祉

    第1節 社会福祉法制総説

    • 1 社会福祉法制の展開と措置制度
    • 2 社会福祉の給付方式とサービス利用関係
    • 3 社会福祉法
    • 4 社会福祉の実施体制と業務従事者

    第2節 高齢者福祉と介護保険法

    • 1 高齢者福祉施策の展開
    • 2 介護保険法の概要
    • 3 生活保護法と老人福祉法による介護保障
    • 4 介護保険の財政構造と介護保険料
    • 5 介護保険制度改革の動向とゆくえ
    • 6 介護保険法と高齢者福祉の課題

    第3節 児童福祉のしくみと法

    • 1 児童福祉法の目的と理念
    • 2 児童福祉法制の展開と少子化対策
    • 3 子ども・子育て支援新制度
    • 4 児童福祉法の障害児に対する給付と要保護児童に対する措置
    • 5 児童虐待防止法
    • 6 児童福祉の行政組織と児童福祉施設
    • 7 児童福祉関連の裁判例
    • 8 児童福祉の課題

    第4節 障害者福祉のしくみと法

    • 1 障害者福祉法制の沿革と展開
    • 2 障害者福祉法制の改革
    • 3 障害者の定義と障害者手帳制度
    • 4 障害者総合支援法
    • 5 身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、精神保健福祉法
    • 6 障害者福祉法制の課題

    第5節 母子・父子・寡婦福祉のしくみと法

    • 1 母子・父子・寡婦福祉の沿革─母子福祉法から母子及び父子並びに寡婦福祉法へ
    • 2 母子・父子家庭等に対する福祉の措置、福祉資金の貸付

    第6節 利用者の権利保障のしくみと社会福祉法制の課題

    • 1 成年後見制度と福祉サービス利用援助事業
    • 2 サービス提供にかかる情報提供、苦情解決
    • 3 手続的保障
    • 4 行政上の不服申立てと行政訴訟
    • 5 債務不履行・不法行為責任、国家賠償責任─介護事故を中心に
    • 6 社会福祉法制の課題

    ●第7章 労働保険

    • 1 労働保険の沿革と概要
    • 2 労働保険の適用関係と労働者性
    • 3 労働保険の保険料
    • 4 業務災害等の認定
    • 5 労災保険の給付と社会復帰促進等事業
    • 6 雇用保険における給付
    • 7 雇用保険2事業と求職者支援制度
    • 8 労働保険の課題

    ●第8章 社会保障と社会保障法理論の課題

    第1節 社会保障の課題─財源問題

    • 1 社会保障財源としての消費税
    • 2 税・社会保障による所得再分配の機能不全
    • 3 消費税を社会保障財源とすることの問題点
    • 4 社会保障財源の再構築

    第2節 社会保障法理論の課題─給付の引き下げと負担増の中の社会保障法理論

    • 1 社会保障法理論における権利性の相対化
    • 2 社会保障給付の引き下げと制度後退禁止原則
    • 3 権利論の可能性

    事項索引

    判例索引