TPP・FTAと公共政策の変質 問われる国民主権、地方自治、公共サービス (地域と自治体)

    書籍名 TPP・FTAと公共政策の変質 問われる国民主権、地方自治、公共サービス (地域と自治体)
    著者名等 内田 聖子, 郭 洋春, 岡田 知弘, 三雲 崇正, 近藤 康男, 鳥畑 与一, 山浦 康明, 寺尾 正之, 尾林 芳匡 (著)
    価格 ¥2,530(税込)
    発行年月日: 2017年9月25日
    ISBN-10 4880376728
    ISBN-13 9784880376721
    C-CODE C0036
    ページ数 216ページ
    本のサイズ A5

書籍の内容

TPP・FTAに組み込まれている“投資家の自由度最優先の仕組み”は公共政策をどう変えるか

米韓FTAをはじめとする世界のFTAで起きている現実を読み解き、メガFTAが国民の暮らしや公共サービス・公共政策に何を投げかけるかを検討する。さらに、その動きにNOをつきつける欧州自治体の取組みを紹介する。

目次

●第Ⅰ部 メガFTA の政治と経済

第1 章 メガFTA の現実
─メガFTA の行方とあるべき貿易ルールへの模索─ 内田聖子

  • 1  TPP の崩壊
  • 2  トランプ政権下の通商交渉と日本に迫る危機
  • 3  日本に迫る危機─貿易だけでなくすべてが標的に─
  • 4  メガFTA 終焉の始まり
  • 5  妥結ができない理由
  • 6  知的財産分野での「農民の種子の権利」への危機
  • 7  電子商取引─人権としての個人情報か、企業のためのビッグデータか─
  • 8  ISDS と途上国
  • 9  公共サービスの市場化への警戒─EU 市民社会─
  • 10 自由貿易協定・多国籍企業にNO を突き付ける世界の自治体の力
  • 11 持続可能で公正な貿易をめざす国際市民社会の取り組み

第2 章 米韓FTA その現実 郭 洋春

  • 1  米韓FTA の仕組み
  • 2  米韓FTA に伴う法律の改正
  • 3  米韓FTA 発効後の韓国社会

第3 章 TPP・FTA 推進の政治経済学と地方自治 岡田知弘

  • 1  第二次安倍政権とTPP
  • 2  輸出で「稼ぐ力」をつければ日本経済は発展するのか
  • 3  TPP・FTA と地域経済・地方自治体
  • 4  国民主権・国家主権・地方自治権を侵害する憲法違反の通商協定
  • 5  自治体が中心となって地域経済・地域社会を守るバリアづくりを

●第Ⅱ部 TPP・FTA と国民主権・公共サービス

第4 章 国民・住民主権を侵害するISDS 条項 三雲崇正

  • 1  ISDS とは何か
  • 2  仲裁事例に見るISDS の問題性
  • 3  SDS 条項の問題点
  • 4  おわりに─ISDS からICS へ(EU の試み)─

第5 章 インフラ・国有企業の解体とビジネス化
─TPP 国有企業章についてあらためて考える─ 近藤康男

  • 1  TPP 国有企業章の特徴と狙い
  • 2  TPP の国有(公有)企業とは何か、どんなものがあるのか
  • 3  国有企業章についての政府の説明で充分なのか
  • 4  その他の条項について
  • 5  日欧EPA を公共調達・公有企業から考える
  • 6  最後に─あらためて国有企業という事業形態を考える─

第6 章 経済連携協定で狙われる年金・共済・生命保険 鳥畑与一

  • 1  GATS と金融サービス貿易の自由化
  • 2  TPP における金融サービス自由化の特徴
  • 3  日本の金融消費者にとってのTPP の危険性

第7 章 消費者安全行政の危機 山浦康明

  • 1  日米二国間協議と食品安全行政の規制緩和
  • 2  日本の食品安全行政の後退
  • 3  TPP のルールから見えてくるもの
  • 4  外交政策、政府の姿勢が自治体の行政に悪影響を与える

第8 章 国民の生命を守る行政の危機 寺尾正之

  • 1  国民皆保険制度の屋台骨が揺らぐ
  • 2  医療・介護サービスのビジネス化による影響

第9 章 自由貿易協定と労働 尾林芳匡

  • 1  TPP 協定の労働についての取決め
  • 2  日本政府等の見解と問題点
  • 3  TPP 労働分野とILO
  • 4  労働法令についてのさらなる規制緩和圧力
  • 5  産業の受ける影響は労働者を直撃
  • 6  締約国間の労働条件引き下げ競争
  • 7  貿易自由化への対処の試み