地方自治を拓く 70~90年代の革新中野区政の経験から

    書籍名 地方自治を拓く 70~90年代の革新中野区政の経験から
    著者名等 小澤 哲雄 (著)
    価格 ¥1,870(税込)
    発行年月日: 2020年4月30日
    ISBN-10 4880377090
    ISBN-13 9784880377094
    C-CODE C0031
    ページ数 228ページ
    本のサイズ A5

書籍の内容

今後の日本の政治、地方自治をどう展望するかに大きな教訓となる1冊

全国的にも大きな注目を集めた中野革新区政の歩みを元中野区議会議員の著者が当事者の立場から描き出す。

区民参加の区政推進・住区協議会と地域センターの発足、ゼロ歳児保育の実施、福祉オンブズマン制度の開始、全国初の教育委員準公選制の実施、憲法擁護・非核都市中野区宣言など、今後の日本の政治、地方自治をどう展望するかに大きな教訓となる中野革新区政の軌跡を追う。

目次

序 地方自治の未来を切り拓く中野の共同 渡辺 治

はじめに

第1部 区民の運動が実った、区民が主役の革新中野区政

第1章 革新区政の前史

  • 1 「中野懇談会」とは
  • 2 原水爆禁止運動
  • 3 旧中野区役所跡地処分「疑惑」をめぐる住民監査請求運動
  • 4 議員報酬お手盛り引き上げ反対の区民運動と区議会本会議場占拠事件
  • 5 自治権拡充・区長公選復活運動
  • 6 江原小学校第二校庭を守る運動
  • 7 上鷺宮地域開発計画反対運動
  • 8 小児麻痺予防ポリオワクチン輸入、「ポストの数ほど保育所を」の運動

第2章 画期的な区議会選挙の結果と反自民五派連合の結成

  • 1 71年(昭和46)区議会議員選挙の結果
  • 2 「反自民五派連合」の結成と議会運営の主導権握る
  • 3 区長準公選条例の可決と「再議」

第3章 23区初の革新区長の誕生

  • 1 区議会が大内正二氏を区長に選任、感動的な就任挨拶
  • 2 特別区制度調査会の設置 ─「区長準公選制度の合法性と区政運営の在り方」を答申─
  • 3 「補助金等検討協議会」の設置と宴会政治の一掃
  • 4 区議会議員、区長等特別職報酬に初めてのスライド制を導入

第4章 区長公選復活・大内区長初の公選区長に

  • 1 75年(昭和50)公選制の復活と第1回中野区長選挙の様相
  • 2 区民参加の区政推進=「住区協議会と地域センター構想」
  • 3 中野刑務所廃止を闘い取る
  • 4 「中野刑務所跡地利用を考える区民協議会」と区民合意の形成
  • 5 全国初めてのゼロ歳児保育の実施と数々の福祉施策
  • 忘れられない2つのこと 江田 徹

第5章 教育委員準公選条例制定直接請求の成立と大内区長

  • 1 教育委員準公選運動の始まり
  • 2 「教育委員候補者決定に関する区民投票条例審査特別委員会」の設置と条例可決
  • 3 大内区長、区民投票条例を「再議」に
  • 4 大内区長、3期目立候補せず

第2部 新しい地方自治の創造

第6章 青山良道区長の誕生と全国初の教育委員準公選

  • 1 79年(昭和54)4月の区長選挙の様相
  • 2 青山区長、教育委員候補者選び区民投票条例を公布
  • 3 青山区長初の所信表明と準公選区民投票の実施に向けて
  • 4 区民投票に向け、合意形成を目指して
  • 5 第1回区民投票の結果と教育委員会改革
  • 教育委員準公選の運動 菊池 恒美
  • 地方自治と教育自治の歴史に輝く「教育委員準公選制」 三上 昭彦
  • 教育委員準公選の専門委員として 兼子 仁

第7章 「憲法擁護・非核都市宣言」、「平和行政条例」

  • 1 「憲法擁護・非核都市中野区宣言」
  • 2 平和行政条例の制定過程
  • 3 非核自治体外交の展開─外交は国の専権事項にあらず─
  • 中野区民の宝物─「宣言」と「条例」 神山 三郎

第8章 青山区長2期目の当選と、道半ばでの急逝

  • 1 83年(昭和58)区長選挙の様相
  • 2 国際障害者年の取り組み
  • 3 「中野区障害者福祉協議会」の発足
  • 4 全国初の福祉オンブズマン制度を提言
  • 5 青山区長の急逝
  • 障害者福祉への歩み 障害者福祉協議会の設置 田端 光美

第9章 予想を逆転、神山好市氏第3代革新区長に

  • 1 86年(昭和61)、90年(平成2)区長選挙の様相
  • 2 神山区長による、青山区政の継承

第3部 革新区政はなぜ終焉したか

第10章 教育委員候補者選び区民投票に終止符

  • 1 準公選に対する常軌を逸する自民党本部、文部省の攻撃
  • 2 自民党、民社党が準公選から脱落、公明党の動揺
  • 3 自民党、民社党の「準公選条例を廃止する条例」の共同提案
  • 4 準公選を守るための壮絶な区民の闘い
  • 5 廃止条例の可決、神山区長「再議」権を行使せず
  • 6 94年(平成6)区長選挙、自・公・民対立候補立てず
  • 7 神山区長の4期目、実質的な「自・公・民区政へ」

第11章 田中区長の誕生と〝市民派〟の欺瞞

  • 1 02年(平成14)6月の区長選挙の様相
  • 2 田中区長の誕生と、区政運営の問題点

第4部 参加の区政への新たな挑戦

第12章 酒井区長の誕生

  • 1 18年(平成30)区長選挙の様相─市民と野党の共闘─
  • 2 酒井区長の1年半の歩みと今後の課題
  • 3 議会対応にみる酒井区政の困難
  • 4 区民とともに、そして求められる勇気と決断

終章 地方政治とは何か─

  • 革新中野区政が今に伝え、これからに生かすもの

あとがき

本書ができるまで 晴山一穂

資料

  • 資料1 特別区制度調査会答申
  • 資料2 中野区補助金等検討協議会答申
  • 資料3 中野区教育委員候補者選定に関する区民投票条例
  • 資料4 大内区長、都知事への審査申し立て書
  • 資料5 審査申し立てについての都知事裁定
  • 資料6 障害者福祉協議会答申
  • 年表 中野区政に関する主なできごと
  • 参考文献一覧