保育・教育のDX が子育て・学校、地方自治を変える

    書籍名 保育・教育のDX が子育て・学校、地方自治を変える
    著者名等 稲葉 一将, 稲葉 多喜生, 児美川 孝一郎 (著)
    価格 ¥1,100(税込)
    発行年月日: 2022年11月10日
    ISBN-10 4880377481
    ISBN-13 9784880377483
    C-CODE C0036
    ページ数 96ページ
    本のサイズ A5

書籍の内容

子育て・教育の枠を超えて、こどもの個人情報が利活用される

 こども家庭庁の設置を前に、複数の行政組織を超えて「こどもの個人情報」が収集・集積、“利活用”される仕組みが準備され、保育の現場ではこどもの情報がテック企業に集積されている。GIGAスクール構想の先ですすむ「教育DX」政策の動向をふくめ、デジタル化政策が子育てと公教育、地方自治にもたらすものとは?

目次

「保育・教育のDXが子育て、学校、地方自治を変える」

目次

Ⅰ 子どものデータ連携と行政組織における調整の強化
─こども家庭庁新設の地方自治への影響─ ……………………… 稲葉一将

1 国家によって形成される「デジタル社会」の特徴

  • (1)「デジタル社会」が国家によって形成されることについて
  • (2) 日本における「デジタル化」の特徴

2 子どもと行政に及ぶ「デジタル化」

  • (1)「重点計画」において示された「教育」と「こども」の「デジタル化」
  • (2) こどもに関する情報・データ連携副大臣プロジェクトチーム
  • (3) こども家庭庁の設置とこども基本法の制定
  • (4) 教育データ利活用ロードマップ

3 転形期の子どもと行政

  • (1) 何が、どのように転形するのか
  • (2) 地方自治との矛盾と保育や教育の専門性との矛盾
  • (3)「監視」の客体から主体形成へのもう一つの「転形」

Ⅱ 保育業務のSaaS 化とテック企業のデータ寡占
─保育と一体で行われる子どもデータの収集─ ……………… 稲葉多喜生

はじめに

  • 1 自治体業務のクラウド化が意味すること
  • 2 なぜ進むSaaS 化
  • 3 SaaS で保育の現場はどう変わるか
  • 4 SaaS で行われる保育データ収集の意味すること
  • 5 企業任せとなっている個人情報収集への「説明と合意」手続きの問題点
  • 6 便利さの背後で進む、テック企業のデータ寡占化
  • 7 子どものデータ連携で変わる保育

Ⅲ 教育DX が学びと学校を変える ……………………… 児美川孝一郎

1 教育政策の転換
─「2020 年教育改革」から「Society 5.0 型教育改革」へ─

  • (1) 「2020 年教育改革」の失速
  • (2)「Society 5. 0 型教育改革」へ

2 「Society 5. 0 型教育改革」の構想─EdTech を通じた教育DX の実現へ─

  • (1) 経産省が主導する教育政策
  • (2) Society 5. 0 型教育とは
  • (3) EdTech による教育改革へ

3 GIGA スクール構想とコロナ禍の教育政策─経産省と文科省の改革構想の分岐─

  • (1) GIGA スクール構想の出自
  • (2) コロナ禍における改革構想の分岐
  • (3) 急進派としての経産省の活動
  • (4) 漸進派に転じた文科省

4 官邸主導による政策の調整・統合─CSTI 教育・人材育成ワーキンググループ─

  • (1) 経産省、文科省それぞれの政策展開
  • (2) 官邸主導による調整・統合へ
  • (3) 教育DX のゆくえ

5 教育DX は学びと学校をどう変えるか─溶けていく公教育─

  • (1) 教育DX が変える学びと学校
  • (2) 公教育の溶解と変質