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マイナンバーカードの「利活用」と自治
主権者置き去りの「マイナ保険証」「市民カード」化
書籍名
マイナンバーカードの「利活用」と自治
主権者置き去りの「マイナ保険証」「市民カード」化
著者名等
稲葉 一将
,
岡田 章宏
,
門脇 美恵
,
神田 敏史
,
長谷川 薫
,
松山 洋
,
森脇 ひさき
(著)
価格
¥1,430
(税込)
発行年月日:
2023年12月20日
ISBN-10
4880377589
ISBN-13
9784880377582
C-CODE
C0031
ページ数
138ページ
本のサイズ
A5
ネット書店
書籍の内容
マイナンバーカードの暴走
健康保険証、図書館カード、交通パスなどとマイナンバーカードとの紐づけが進む。分散管理された個人情報が1枚のカードに集約され2次利用されると考えた場合、国民の個人情報は守られるのか。
目次
第Ⅰ部 「マイナ保険証」と自治体・保険者
1 マイナカード取得「義務化」の実験場とされている医療 ……………………………………
松山 洋
1 オンライン資格確認と医療DX
(1) 健康保険証の目視確認(資格確認)
(2) オンライン資格確認とは
(3) オンライン資格確認等システムと医療DX
(4) 医療DX 通じて、医療等ビッグデータ構築
(5) 煩雑な手間と多大な負荷、医療DX で医療機関淘汰も辞さず
2 オンライン資格確認で混乱・疲弊する医療現場
(1) 医療機関の6 割でトラブル、10 割全額負担900 件以上
(2) マイナカードは目視確認不能、医療現場の不安は甚大
(3) マイナカード管理は困難介護・福祉施設現場
(4) 医療事故に直結する医療情報の誤登録
(5) 窓口負担割合の誤登録 公的医療保険制度の根幹揺らぐ
(6) 面倒この上ないマイナ保険証
3 マイナ保険証にメリットはあるのか
(1) 返戻削減は過剰評価、なりすまし防止は眉唾
(2) 患者の同意軽視、診察実態に見合わない医療情報閲覧
(3) 診療現場に鑑みた情報連携こそ
4 さらなる医療費抑制に向けて 医療DX の狙い
(1) マイナカード持たぬ者は人にあらず デジタル社会のパスポート
(2) 医療者の有事動員体制も視野に
(3) 裁量権の制限、成功報酬の拡大
5 公的医療保険制度の脆弱化・解体
(1) PHR による行動介入、かかりつけ医の動員
(2) 公的医療保険制度の解体 社会保障個人会計
(3) ビッグデータの民間利活用へ
6 高齢化社会にマイナカード強制する無責任
2 医療保険者である自治体の役割
─ 住民のいのちと健康、個人情報を守るためにできること ─ ……………………………
神田 敏史
1 国民健康保険制度の位置づけと地方自治体の役割
2 国民健康保険の被保険者(加入者)とは─住所を有する者は全て加入する権利をもつ
3 オンライン資格確認システムで保険者機能は的確に発揮できるのか
(1)被保険者資格の取得、喪失処理について
(2)保険給付の提供
4 オンライン資格確認システムと「マイナ保険証」利用の意味すること
(1)「保険者機能」の強化と事務負担の軽減
(2) 保険者である地方自治体として考えなくてはいけないこと
資料:マイナンバーカードと健康保険証の一体化に対する要望書
3 マイナ保険証と「保険者の自治」 ……………………………………………………
門脇 美恵
1 「マイナ保険証」問題に接して
(1)「マイナ保険証」に関する地方公共団体の動き
(2)「保険者の自治」に着目する理由
(3) 本稿の流れ
2 日本における公的医療保険の基本構造とその特徴
(1) 日本の公的医療保険制度の基本構造
(2) 地域保険としての国民健康保険
(3) 日本の公的医療保険者の組織と意思決定過程の多様さ
(4) 公的医療保険の保険者を地方公共団体も担うことの意味
3 ドイツの公的医療保険と「保険者の自治」
(1) ドイツ公的医療保険における「皆保険」の意味
(2) ドイツの公的医療保険を特徴づける「自治」
(3) 傷病への備えと「自治」「参加」「近接性」そして「民主政」
4 地方公共団体が公的医療保険の保険者であることの積極的意味
第Ⅱ部 マイナンバーカードの「市民カード」化
4 マイナンバーカードによる図書館利用 …………………………………………………
岡田 章宏
1 公立図書館の図書館カード
2 マイナンバーカードによる図書館利用の方式
(1) カードAP 方式
(2) 公的個人認証(JPKI)方式
(3) マイキーID 方式
3 マイナンバーカードによる本人確認の意味
5 吉備中央町の「デジタル田園健康特区」構想 …………………………………………
森脇 ひさき
1 吉備中央町のデジタル田園健康特区
2 吉備中央町で3つのプロジェクト
3 気になる点や問題と感じること
(1) 情報の収集と承諾
(2) 利用範囲と漏洩防止対策
(3) 利用できない人への対応など
(4) 住民同士の「助け合い」
(5) 公正な価格の保障
(6) 住民サービスが企業の力量で決まる
4 町議会の議論から
(1) 携帯電話がつながりにくい
(2) ネット活用はまだ少数
(3) 怖くて乗れない「マイクロEV」
(4) 高額な「ウィラバアプリ」開発費
(5) 議会のチェック機能が果たせない
(6) 事業組合に参画する事業者が事業の大部分を受注
6. 国が進める行政DX 推進の実験自治体となっている前橋市 …………………………
長谷川 薫
1 まえばし暮らしテック推進事業採択への経過
2 ㈱めぶくグラウンドの事業内容と「めぶくID」
(1) ㈱めぶくグラウンドの事業内容
(2) デジタル身分証明書=めぶくID と
3 ㈱めぶくグラウンド事業をめぐる問題点
(1)「行政の公平性」を放棄し、地方自治の後退を招きかねない
(2) 個人情報漏洩の危惧
(3) 自治体DX は究極の自治体民営化
7 国家政策の地方展開に対する自治の課題 ………………………………………………
稲葉 一将
1 国家の側で起きていること
(1) 行政組織の現状
(2) 財政運営の現状
(3) 国の行財政の多元的コントロールと分権の正当性
2 地方自治との矛盾と課題
(1) 矛盾があらわれる「市民カード」化事業
(2)「市民カード」化事業の問題点
(3) 問われる地方自治体の存在理由
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