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アグロエコロジーへの転換と自治体─生態系と調和した持続可能な農と食の可能性
書籍名
アグロエコロジーへの転換と自治体─生態系と調和した持続可能な農と食の可能性
著者名等
関根 佳恵
,
関 耕平
(編著)
/
長谷川 敏郎
,
清水池 義治
,
塚原 宏城
,
和泉 真理
,
吉野 隆子
(著)
価格
¥2,750
(税込)
発行年月日:
2024年10月10日
ISBN-10
4880377740
ISBN-13
9784880377742
C-CODE
C0036
ページ数
252ページ
本のサイズ
A5
ネット書店
書籍の内容
農と食の危機打開にどう向き合うか!
生態系と調和した持続可能な農と食のあり方として、世界中から注目されているアグロエコロジー。この農と食のシステムに関する科学・実践・社会運動の広がりを紹介し、四半世紀ぶりに改正となった日本の「食料・農業・農村基本法」も分析。併せてフランスの有機給食と公共調達、JAの有機農業、各地で展開されているアグロエコロジーの実践事例を紹介し、食の民主主義を展望。
目次
はしがき
第1章 気候危機克服とアグロエコロジーへの転換
ー「生態系といのちの営み」に寄りそう社会を足もとからー
1 はじめに
2 地球温暖化から気候変動、気候危機、地球沸騰化へ
3 「生態系といのちの営み」から社会のあり方を問い直す
(1) 「生態系といのちの営み」に向きあう農業
(2) 成長の追求と工業的農業がもたらしたもの
(3) ウッドショックによって示された「経済的価値」と「使用価値」の矛盾
(4) コロナ禍によって明らかになった「使用価値」の大切さ
(5) 農業・農山村の多面的機能とその保全に向けて
4 「生態系といのちの営み」に寄りそう社会を足もとから
(1) 農業・農村政策の転換を
(2) 自治体政策に何が求められているのか
(3) 有機給食で地域の農業を支えるー地域自給の拡大と公共調達ー
(4) 多様な担い手の連携・協働ーアグロエコロジーへの転換に向けてー
第2章 アグロエコロジーをめぐる国際的潮流
ー国連、市民社会、欧米の動向と日本への示唆ー
1 はじめに
2 アグロエコロジーー定義、歴史、有機農業との比較ー
(1) アグロエコロジーの定義
(2) アグロエコロジーの歴史的展開
(3) アグロエコロジーと有機農業
3 国際舞台におけるアグロエコロジーをめぐる攻防
(1) 市民社会からボイコットされたサミット
(2) みどりの食料システム戦略ー日本は世界の縮図ー
(3) 「代替案」への代替案を求めて
(4) 日本農業への示唆
4 欧米におけるアグロエコロジーの取り組み
(1) 欧州連合(E)の取り組みー小規模・家族農業によるアグロエコロジーを推進ー
(2) フランスの取り組み
(3) アメリカもアグロエコロジーに舵
5 おわりにー日本でアグロエコロジーを普及するためにー
用語解説
第3章 食と農の危機打開に向けて
ー新基本法を問うー
1 はじめに
2 食料・農業・農村基本法は何をもたらしたか
(1) 旧基本法と新基本法の違い
(2) 新基本法制定に対する農民連の主張
(3) 農民連の「新基本法への提言」発表の背景
(4) 農民連の「新基本法への提言」
3 新基本法の改定案はどこが問題なのか
(1) 国民の食料供給の「安全保障」とは全く逆の自己責任論
(2) 食料自給率の目標は「向上」をめざすものでも「指針」でもなくなる!
(3) 食料の安定供給は、国内の増産ではなく、さらなる輸入の拡大で穴埋め
(4) 農民の激減を前提に、農民のいないロボット農業・スマート農業を推進、家族農業は軽視
(5) 戦争する国づくりへ、食料有事の措置(第24条)および「食料供給困難事態対策法」
(6) 国会への報告義務から逃避し、農業・食料政策の公正性が欠落
(7) 価格転嫁・価格保障・所得補償(直接支払)
4 おわりにー新基本法改定に求められるものとアグロエコロジー
第4章 酪農が直面する課題と未来
ー食の民主主義を展望するー
1 はじめに
2 「酪農危機」の諸相とその背景
(1)「酪農危機」の多重性
(2) コロナ禍を起点とした生乳過剰
(3) 資材高騰による所得減少
(4) 酪農家戸数の減少と生産減少
3 「酪農危機」から見える課題
(1)「自助努力」支援政策の限界
(2) 大規模経営の脆弱性
(3) 新基本法改定をめぐる問題点
4 酪農政策のアグロエコロジー的転換を
5 おわりにー食の民主主義への道ー
第5章 有機農産物を学校給食に届けよう
ーフランスの公共調達改革ー
1 世界に広がる有機給食
2 「よい食」を学校給食に
(1) 「よい食」の概念の変遷
(2) 食の公正さを求める運動の展開
(3) 公共調達を変革する試み
(4) 有機公共調達の実現における課題
3 フランスにおける公共調達の変革ー有機給食を義務化ー
(1) Eにおける公共調達のグリーン化
(2) 有機農業の推進
(3) 有機公共調達の義務化
(4) 有機公共調達の取り組みの事例ーサルト県ル・マン市ー
4 日本でも有機給食を広げるために
第6章 アグロエコロジーの実践を地域から
ー島根県の事例をもとにー
1 はじめに
2 長谷川さんによるアグロエコロジーの実践
(1) 中山間地域における地域資源の利用のあり方とその消滅
(2) 地域資源の循環的利用と長谷川さんの営農
(3) 殺虫剤の代わりに生態系の力を利用する
(4) 土壌分析からみた長谷川さんの稲作
(5) 農業経営としての長谷川さんのアグロエコロジー実践の合理性
(6) まとめにかえて
3 地域農業を支える地域密着型第三セクター・吉田ふるさと
(1) 吉田ふるさと村の沿革
(2) 吉田ふるさと村の事業とその特徴
(3) 地域における吉田ふるさと村の役割と意義
(4) 吉田ふるさと村の企業理念が示すこと
4 おわりに
コラム 里山でサステナブルな社会づくりの担い手を育む
第7章 JAによる有機農業の取り組み
1 日本の有機農業とJA
2 有機農産物の販売と人材育成を共に進めるJAやさと
3 生協の契約産地から出発したおおや高原有機野菜部
4 BLOF理論に基づく有機農業の普及を図るJA東とくしま
5 JAによる有機農業への取り組みを拡大するために
第8章 北海道酪農のアグロエコロジーへの挑戦
1 はじめに
2 放牧酪農を志向する新規参入者への就農支援ー上川地域・中川町ー
(1) 中川町における地域農業の状況
(2) 自治体による新規参入の促進
(3) 新規参入者の意思を尊重する支援策
3 アニマルウェルフェアをベースとした6次産業化ー十勝地域・清水町ー
(1) 清水町における地域農業の状況
(2) 「牛は牛らしく、人は人らしく」の酪農経営
(3) アニマルウェルフェアと6次産業化
4 おわりに
第9章 中山間地域における有機農業の広がりと農業後継者育成の可能性
ー岐阜県白川町ゆうきハートネットの事例ー
1 白川町というところ
2 有機農業の広がり
(1) 第1期 有機農業の芽生えからハートネット結成まで
(2) 第2期 ゆうきハートネット結成から確立まで
(3) 第3期 新規就農者の受け入れ
(4) 第4期 未来を見据えた世代交代
3 今後に向けた課題
あとがき
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