公共サービスのSaaS化と自治体

書籍の内容

自治体はSaaS利用契約にどう対応するか

アプリを使って公共サービスをうけるSaaSが広がっています。情報システムを一から作り管理する手間がはぶけ、使い勝手の良いものです。しかし反面、利用者は自らの個人情報を提供することが前提であり、セキュリティもICT事業者任せとなります。本書は、保育や母子手帳などSaaS利用の実際の紹介を通じて、その仕組みを解説するとともに、自治体が事業者と利用契約を結ぶ場合の視点を提案します。

目次

1 デジタル社会とSaaS 本多滝夫

  • デジタル社会とクラウドサービス
  • クラウドサービスとは
  • ガバメントクラウドとSaaSの重視
  • 窓口DX SaaS
  • 準公共分野のDXとSaaS

2  自治体保育業務のSaaS 化ーその実態と課題ー 稲葉多喜生

  • 保育園の基幹業務をシステム化する保育SaaS
  • 行政サービスのSaaS 化を子育て分野から
  • SaaS 化で曖昧になる自治体の個人情報保護
  • 海外の保育SaaS は個人情報をどのように取り扱っているか
  • 個人情報の適正な取扱いにむけて

補論 デジタル庁「モデル仕様書(保育業務支援システム)」について 稲葉多喜生

  • 利用規約への同意の現状
  • モデル仕様書の改善策

 「マイME-BYO カルテ」による健康医療情報の収集と活用について 神田敏史

  • 「マイME-BYO カルテ」の利用登録と提供サービス、収集情報
  • 「マイME-BYO カルテ」における個人情報の取扱について
  • 「マイME-BYO カルテ」アプリケーションの課題について
  • SaaS としての「マイME-BYO カルテ」アプリケーションの特徴について

4  個人情報保護と同意のあり方 ー自治体がSaaS を利用する場合の視点ー 眞田章午

  • 個人情報保護と同意に関する問題
  • 個人情報保護法と同意
  • 同意の実質化の方法
  • SaaS 利用と本人の同意のあり方

5  SaaS 利用の契約諸関係が有する問題点と自治体の課題 稲葉一将

  • 調達契約の公共性が問われている海外の動向
  • SaaS 利用契約の諸関係
  • 議会と執行機関との関係

資料 デジタル庁「モデル仕様書」