歴史に学ぶ生命の尊厳と人権

    歴史に学ぶ生命の尊厳と人権
    書籍名 歴史に学ぶ生命の尊厳と人権
    著者名等 芝田 英昭 (著)
    価格 ¥1,540(税込)
    発行年月日: 2024年12月2日
    ISBN-10 4880377775
    ISBN-13 9784880377773
    C-CODE C0036
    ページ数 158ページ
    本のサイズ A5

書籍の内容

「人権抑圧の実相」を歴史から学び、それに「抗う」術を考える

日本は第二次世界大戦で敗戦を迎え「平和国家」構築を目指したが、一方では旧家父長制の残滓を引きずり、社会の中で弱い立場に置かれた障がい者、子ども、女性、外国人(特に非正規滞在者)を差別的に扱ってきた。「人権抑圧の実相」を歴史から学び、それに「抗う」ためには何が必要なのかを読者とともに考える。

目次

はじめに

第1章 なぜ、生命の尊厳と人権を問うのか

はじめに

1 原発問題から「人権」を考える

2 生命の尊厳とは何か

  • (1) 死者との語らい
  • (2) 尊厳と人権
  • (3) 未成熟で生まれる人間の子ども……本能の後退が社会的動物へと進化させた
  • (4) 複雑な思考能力と優生学
  • (5) 人間の尊厳の要素としての人格

3 歴史から学ぶ人権

  • (1)日本初の機能性食品は「ヒロポン入り特攻チョコレート」
  • (2)日本政府は占領軍「慰安施設」を設置し女性の人権を蹂躙した

おわりに……性の自己決定論を手がかりに生命の尊厳と人権を問う

第2章 国家権力の下で蹂躙された人々、特に女性への性暴力と人権を考える

はじめに

1 戦後占領期、連合軍兵士に差し出された女性達がいた

2 朝鮮戦争を戦った日本人と性暴力

  • (1) 朝鮮戦争を戦った日本人
  • (2) 日本赤十字看護師の連合国軍キャンプ派遣と性暴力

3 従軍「慰安婦」問題と占領軍「慰安婦」問題の共通性に目を向けることの重要性

4 売買春における経済的誘導・社会文化的誘導から社会的強制を考える

おわりに……性労働において性的自己決定権は行使されるのか

第3章 性暴力における戦時と平時の連続性

はじめに

1 一般売買春における経済的・文化的誘導の実態

2 売買春の非犯罪化の流れーーニュージーランド・モデルとスウェーデン・モデル

  • (1) ニュージーランドの売春改革法2003(The Prostitution Reform Act 2003: PRA)の詳細
  • (2) スウェーデン・モデルの展望

おわりに…… 性的人格権の確立への視座

第4章 軍拡と社会保障

はじめに……20世紀の狂気「バターより大砲」から人類は何を学んだのか

1 社会は変われたのか……新たな冷戦か

2 自公政権の防衛力拡大路線は社会保障を蔑ろにした

  • (1) 平和憲法を踏み躙る軍拡路線
  • (2) 安倍・菅政権の「自助・共助・公助」論から岸田政権の「自助・互助・共助・公助」論へ
  • (3) 石破茂政権は岸田政権路線を引き継ぎ、軍事大国を目指す

おわりに……バター=社会保障は人権である

第5章 マイナ保険証強制は、日本を監視国家にする

はじめに

1 マイナンバー及びマイナンバーカードの法的根拠とマイナ保険証との関係

2 マイナ保険証使用の有無で一部負担の差別化……「法の下の平等」を侵害

3 皆保険体制崩壊の危機

4 在留カードとの一体化から見えてくる「マイナンバーカード」の恐るべき未来

おわりに……監視国家体制は資本主義に欠かせない

第6章 人権が尊重される多様性ある社会に向けて

はじめに……人権を抑圧する社会「日本」の真実に目を向けよう

1 子ども・子育て支援のトラップ

  • (1) 児童手当拡充の‟実像”
  • (2) 子ども医療費無償化、国の制度として無償化を言うべき
  • (3) 子ども3人以上扶養で高等教育無償化(大学無償化)は目玉戦略か?
  • (4) 子ども・子育て「支援金制度」という名の「こども保険」構想の再来か

2 ジェンダー不平等の本質

3 多様な性自認や同性婚を認めていない

4 性別変更のハードルは高い

5 在留外国人を都合の良い労働力の補完としか考えていない

6 外国人に対する人権侵害…… 特にクルド人に対する偏見と差別

おわりに……平和・共生のため

おわりに……亡き父との語らい