さまざまな指標で男女格差を比較したジェンダーギャップ指数2020で日本は0.652となっており153カ国中121位(1位のアイスランドは0.877、ドイツが10位で0.787、アメリカは53位で0.724、中国106位0.676)であるとの新聞記事に興味を覚え、インターネットで検索すると、「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」(2018年5月23日公布・施行)がヒットしました。政治分野における男女共同参画を推進することを目的に、衆議院、参議院および地方議会の議員選挙において男女の候補者の数ができるだけ均等になることを目指した取り組みを行い、政治分野での男女の個性と能力の発揮、家庭生活との両立が可能となるようにすることを基本原則に掲げています。そのために、国・自治体は、実態調査や情報収集、啓発活動、環境整備、人材の育成などを進め、政党等は、候補者の男女比率について目標を定めるなどの取り組みを進めることを責務として明記しています。
こうした法律ができた背景には、政治分野で日本のジェンダーギャップ指数が0.049で144位(1位のアイスランドは0.701)と特に遅れていることがあります。ちなみに経済分野は115位、教育分野が91位、健康分野が40位となっています。
国民生活や国の進路などに直接関係する政治の分野でのジェンダー平等の遅れが、全体のジェンダーギャップ指数を押し下げているのです。
日本の衆議院女性議員比率は9.9%、参議院22.9%、都道府県議会11.4%、市区町村議会14.6%となっており、国会議員の女性議員比率は190カ国中163位でOECD諸国中最下位です。世界平均で国会議員の女性比率は25%(南北アメリカ31.7%、欧州30.1%、アジア20.6%、アフリカ24.8%、大洋州16.7%)で、日本の低さは異常です。
日本の母子家庭の子どもの貧困率が抜きんでて高いことや、災害時の避難所の劣悪な環境、パワハラ・セクハラの多発、ケア労働の待遇の低さ、非正規雇用の賃金・労働条件の劣悪な状況、対話や議論の貧困などと、女性の政治的影響力の低さは関連しています。
そこで、考えました。ジェンダー平等11年連続世界1位のアイスランドでは、1975年に子どもからお年寄りまで全女性の9割が参加した男女平等を求める大規模なストライキとデモ(アイスランド完全マヒと報道された)が行われ、これが大きな転機になって男女平等があらゆる社会分野に広がっていったといわれています。アイスランドでは、母親、父親それぞれ6カ月、父母共有6週間の育休制度があり、その間の給与の8割を政府が支給、男性の育休取得率は7割を超えています。また、企業の女性役員を4割以上とするクオータ制、男女の賃金格差は違法とする法律の施行も行われています。閣僚11人中、首相を含む5人が女性、国会議員の女性比率は4割です。日本でも、冒頭の法律を活用し、国会、地方議会で超党派の女性議員が「男女平等」の一点で共同し、全女性にアピールを発し、2~3年準備して全女性(約6000万人)の1割(600万人)くらいの参加を目標に全国津々浦々で大集会とパレード(デモ)を土曜か日曜に実施したらどうでしょう。もちろんその時は、老体に鞭打って全面協力する決意です。