東洋大学社会学部社会学科教授
中澤 高師(なかざわ たかし)
施設立地紛争を中心に研究しています。 多くの政策領域において、関連施設の立地は避けては通れません。廃棄物処理施設、火葬場、刑務所、社会福祉施設、保育園、飛行場、新幹線、道路から、原子力発電所、あるいは風力発電などの自然エネルギー施設に至るまで、施設建設は政策目標達成のために「必要」とされます。その一方で、こうした施設の立地は周辺地域に大きな影響を与えるため、住民との紛争を引き起こします。 施設立地紛争は、政策や地域社会の問題・課題や矛盾が集中して顕れる場であり、社会的意思決定のあり方、リスク・コミュニケーション、科学コミュニケーション、地域社会の構造、公害・環境、差別・格差、住民・社会運動、自治、政策形成など、社会科学の重要テーマと密接に絡みあうフィールドです これまで、廃棄物処理施設を中心に研究をすすめ、PhD論文では東京都23区の自区内処理原則の立地政策への影響の変動を分析しました。最近では、浜岡原発、高レベル放射性廃棄物処分場、保育園紛争についても調査を行っています。 また、オンライン合意形成支援システムの開発プロジェクトにも関わっており、オンライン型と従来型の討論型世論調査を比較する実験の実施を計画しています。