月刊『住民と自治』 2024年3月号
特集 戦争する国づくりと地方自治-「分権」から「集権」への逆流

昨年12月15日に提出された第33次地方制度調査会の答申は、大規模災害や感染症のまん延等のさいの国民の生命・身体や財産の保護を名目に、「補充的指示権」として国による地方自治体の自治権制限を打ち出しました。これは、地方自治だけではなく、我が国の平和主義と人権に重大な影響を与えるものです。「地方分権改革」から30年。「地方分権」から「中央集権」へと時計の針が逆転し、「戦争する国づくり」への地方自治体の動員体制が完成に近づいているように見えます。本特集では、憲法が定めた非戦の歯止めとしての地方自治の意味と、「地方分権改革」の意義を改めて確認し、集権化・軍事化の流れに警鐘を鳴らします。

書籍名 月刊『住民と自治』 2024年3月号
特集 特集 戦争する国づくりと地方自治-「分権」から「集権」への逆流
価格 ¥800(税込)
発行年月日 2024年2月15日
ISBN-10 4880377945
ISBN-13 9784880377940

目次

能登半島地震のお見舞いと被災地の復興のために 中山 徹

◆直言 奪われてきた声を取り戻す 荒井 文昭

●特集●  戦争する国づくりと地方自治─「分権」から「集権」への逆流

  • 「地方分権改革」30年の歩みを振り返る─中央集権化と地方自治との対抗─ 岡田 知弘
  • 第33次地方制度調査会答申における「補充的指示権」 榊原 秀訓
  • 「戦争をする国づくり」と地方自治 永山 茂樹
  • 辺野古問題─代執行訴訟と地方自治の危機 徳田 博人
  • 2024年度政府予算案と地方財政の焦点 川瀬 憲子
  • 児童虐待防止から予防型支援へ─自治労連「『こどものいのちと権利を守る』こども家庭福祉に関する提言」について 二見 清一
  • FOCUS  第三期国保運営方針でどうなる国民健康保険料(税)負担~「保険料水準統一」で国保の構造的な財政問題は解決できるのか~ 神田 敏史
  • ZOOM IN 『 ついに市民が勝った横浜市長選 次は国政を~市民運動半世紀の体験から政治を考える~』を出版 矢後 保次

●連載●

  • 〈新連載〉暴走する大阪万博─維新 政府の虚妄を斬る 第1回 万博中止して被災地に回せ─カジノのための夢洲万博、災害時に孤立! 中山 直和
  • 汚された水─PFASを追う 第2回 “大阪におけるPFAS汚染と健康を考える”住民運動として1193人のPFAS血液検査を実施 長瀬 文雄
  • くらしと自治と憲法と 第29回  いのちのとりで裁判名古屋高裁の画期的判決─厚生労働大臣に「重大な過失」あり 鈴木 靜
  • 人つながる㉟ 「 女性を議会に!ネットワーク」ホップ ステップ ジャンプ! 白井 えり子
  • Jつうしん  いしかわ自治体問題研究所 能登半島地震─被災地の人間復興へ 木村 吉伸
  • 自治の風─京都から 第4回 ジャーナリズムとアカデミズムの源流 京都の地からのネット発信 池田 豊
  • 編集後記
  • 表紙写真
  • スケッチ